家電やデジタル技術の見本市「CES 2022」が米国時間2022年1月3日に始まり、7日に閉幕しました。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の広がりで、参加を取りやめる企業もありましたが、今年は米ラスベガス会場でのリアル展示が復活し、韓国サムスン電子、米ゼネラル・モーターズ(GM)などが発表会や講演を披露しました。日経クロストレンドの記者が解説します。 

(写真/Shutterstock)
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 家電やデジタル技術の見本市「CES 2022」が米国時間2022年1月3日に始まり、7日に閉幕しました。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の広がりで、参加を取りやめる企業もありましたが、今年は米ラスベガス会場でのリアル展示が復活し、韓国サムスン電子、米ゼネラル・モーターズ(GM)などが発表会や講演を披露しました。

 会期中の講演を聞いていると、時代が変わる節目の年になったなと感じました。どの会社の話を聞いてもメインのテーマは「サステナビリティー(持続可能性)」です。以前からCSR(企業の社会的責任)として「環境にも配慮しています」といったアピールをしている会社はありましたが、そうした付帯的なものではなく、今や事業の中核としてサステナブルを位置づけているのです。

 サステナブルの延長線上のビジネスとして、二酸化炭素の排出を抑制できる電気自動車(EV)や自動運転があり、移動や生活を効率化する手段として、スマートシティーやメタバース、フードテックなどがあるといった具合です。新型コロナウイルス感染症拡大という危機に直面する中、単に収益の最大化を目指すだけでなく、各社が社会の中の存在意義を改めて見直そうとしていると感じます。投資家もサスティナビリティーの要素がない企業にはお金を出さないという話も聞こえてきます。

 残念なのは、今回のCESでは日本企業の存在感が薄かったことです。15年前にiPhoneが登場し、スマホ中心のモバイル市場が大きく拡大したころを思い出しました。日本では「ガラケーのほうが便利」といった風潮が強く残り、結局は多くの携帯電話メーカーが撤退してしまいました。今回のCESで発表されたEVやメタバースという新トレンドも、現在の日本は冷ややかな目で見ているように感じます。今回は新たな潮流を見逃さず、ニッポン発のビジネスが広がってほしい。そんな思いを込めながら、CESリポートをまとめました。

CESはもうデジタル見本市ではない 軸はサステナブル、ITは脇役


CES新公式テーマに「フードテック」…なのにニッポン不在の衝撃


夢の「寝たまま通勤」実現なるか? CES 2022で見た移動の未来


EVや自動運転で広がるクルマの未来

CES 2022開幕 車内でフィットネスまでできる、LG電子の未来カー

 家電やデジタル技術の見本市「CES 2022」が始まった。2021年は完全オンライン開催だったが、今回は米ラスベガスのリアル会場とのハイブリッド開催。米国時間2022年1月3日から報道向けイベントでトップバッターとして講演した韓国LG電子は、家電の技術をモビリティー分野に広げていく方針を示した。


【CES 2022】モバイル中心からクルマやXRへ拡大 米クアルコム

 米半導体大手のクアルコムは、米国時間2022年1月4日に「CES 2022」の報道向けイベントを開催した。強みとしているモバイル機器向けを軸としながら、クルマやAR(拡張現実)と、ネットでつながる多様なデバイスをターゲットに同社チップの提供の幅を広げていく方針を明確に示した。


米ウォルマートがGM傘下のEV採用 将来は自動運転に【CES2022】

 家電やデジタルの展示会「CES 2022」の基調講演を米国時間の2022年1月5日に見せたのは米ゼネラル・モーターズ(GM)。クルマメーカーからプラットフォームの変革者へとシフトするという同社の方針に沿った電気自動車(EV)や自動運転車のほか、米小売り大手ウォルマートとの取り組みも発表した。


メタバースやZ世代向け家電も話題

P&Gもメタバース本格化? TVに変わる新メディア創る【CES2022】

 家電やデジタルの見本市「CES 2022」に合わせ、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、独自のVR(仮想現実)メタバース「LifeLab(ライフラボ)」で製品を展示している。日用品という一見デジタルとは縁遠い製品を扱う同社が、VRで何を伝えようとしているのか。実際に空間内を歩いて探った。


ソニー、電気自動車を販売へ PS用の新VRゴーグルも【CES 2022】

 ソニーは米国時間2022年1月4日、「CES 2022」の記者発表会で、これまでコンセプトとして紹介してきた電気自動車(EV)発売を目指すと発表した。22年春にはモビリティー事業の新会社も設立する。VR(仮想現実)システム「PlayStation VR2」も発表し注目を集めた。


サムスン電子が「Z世代家電」に注力 自由度で訴求【CES2022】

 米国時間の2022年1月4日の「CES 2022」基調講演では、韓国サムスン電子の韓宗熙(ハン・ジョンヒ)副会長兼CEO(最高経営責任者)が登壇。昨今注目される環境問題への取り組みや、「Z世代」など若い世代向けの新製品、そしてスマートホームに関する新たな取り組みを打ち出した。


サステナビリティーで広がるビジネス

環境、教育、エンタメ、家電...パナソニックが描く未来予想図【CES 2022】

 パナソニックは米国時間2022年1月4日、家電とデジタル技術の展示会「CES 2022」で開催した記者発表会を開催。世界的なトレンドとなっている環境の課題解決に取り組むプロジェクトのほか、電気自動車やフードテック関連の製品を紹介した。VR(仮想現実)も子会社と連携して開発を進める。


「高くても社会貢献できるなら買う」 エシカルを楽しむZ世代

 1990年代半ば以降に生まれたZ世代が、消費のあり方を変えようとしている。子どもの頃から、気候変動や海洋汚染などの問題が身近にあったZ世代。自らの行動で環境や社会課題の解決に貢献するといったエシカル志向は強い。ただ一方で膨大な情報にさらされ、「エシカル疲れ」を感じる若者も少なくない。買い物の体験そのものを楽しみながら、環境や社会に貢献する「ファン・エシカル」を意識した企業の取り組みも広がる。


ITで負け続けた日本、次の勝ち筋は脱炭素 JVCA赤浦会長に聞く

 2022年にスタートアップ業界はどこへ向かうのか。海外のIT大手がその影響力をますます高めている状況を変え、日本発の変革を起こすことはできるか。日本ベンチャーキャピタル協会の会長で、インキュベイトファンド(東京・港)の代表パートナー赤浦徹氏に、IT評論家の尾原和啓氏が聞いた。