企業のSNS活用に関する取材を続ける中で、ファンを増やしたり、売り上げが伸びたりしている公式アカウントに共通するのは「性格の良さ」だと感じます。一緒にいて心地の良い相手か、疲れる相手か。人格ならぬ“SNS格”とでもいえるでしょうか。日経クロストレンドの記者が解説します。

(写真/Shutterstock)
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 企業のSNS活用に関する取材を続ける中で、ファンを増やしたり、売り上げが伸びたりしている公式アカウントに共通するのは「性格の良さ」だと感じます。一緒にいて心地の良い相手か、疲れる相手か。人格ならぬ“SNS格”とでもいえるでしょうか。

 商品やサービスを提供する側は、「業界を熟知しているし、ターゲットのこともずっと考えてきた」「最も理想的な商品・サービスを追求し続け、やっと完成した」「社会にとってもこれは有意義に違いない」という自負があります。

 一方で、情報を受け取るフォロワーにとっては「楽しくて面白くて、自分の気持ちに寄り添ってくれて、ときどきためになる」存在が心地良いようです。

 では、両者の距離を広げないためにはどうすればいいのか。

 商品・サービスを通じて得たいのは、つまるところ、商品そのものではありません。商品・サービスを通して得られる感情です。どんな気持ちになりたいのか。なれるのか。それをリアルに伝えてくれる存在が求められています。今回の記事まとめでは、そんな事例と構築プロセスを挙げてみました。

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リアルを追求する

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楽しく、ためになるか

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