先日、有給休暇を利用して日光を訪れました。緊急事態宣言の解除で観光地にも人出が戻りつつあるとは言え、平日ということもあり甘く見ていたところ、日光東照宮を訪れてびっくり。修学旅行の小学生や中学生で境内はあふれていました。懐かしい光景です。コロナ禍で一生の思い出を奪われてしまった多くの子供たちのことを考えると、こんな“密状態”にも寛容になれます。ただ、そこに外国人観光客の姿はほとんど見当たりませんでした。観光産業の完全回復にはもう少し時間がかかりそうです。日経クロストレンドの記者が解説します。
先日、有給休暇を利用して日光を訪れました。緊急事態宣言の解除で観光地にも人出が戻りつつあるとは言え、平日ということもあり甘く見ていたところ、日光東照宮を訪れてびっくり。修学旅行の小学生や中学生で境内はあふれていました。懐かしい光景です。コロナ禍で一生の思い出を奪われてしまった多くの子供たちのことを考えると、こんな“密状態”にも寛容になれます。ただ、そこに外国人観光客の姿はほとんど見当たりませんでした。観光産業の完全回復にはもう少し時間がかかりそうです。
しかし、インバウンドの回復を悠長に待っているわけにはいきません。コロナ禍でもホテルの開業が相次いでいます。動きが目立つのが富裕層をターゲットにしたラグジュアリーホテル。数年前から既に宿泊施設が飽和状態にあると言われている京都ですが、21年9月にヒルトンが最上位ブランド「LXR Hotels & Resorts」で進出。同年3月にはフランスの高級食材でおなじみのフォションが「フォションホテル京都」を開業しています。お隣の大阪市でも3月にマリオット・インターナショナルのラグジュアリーブランド「W Osaka(W大阪)」がオープン。Go To トラベルが再開されれば、国内の富裕層の取り込みも見込めるとあって、強気の姿勢を崩しません。
ホテル分野における旺盛な開業意欲という点では、現在、星野リゾートの右に出る企業はないでしょう。21年も温泉旅館の「界」ブランドで霧島、別府がオープン。他にも「OMO(おも)」ブランドで京都3施設と沖縄を展開。22年には北海道のポロト、札幌、小樽、大分・湯布院、東京・赤坂、大阪など目白押しです。インバウンド回復まで近隣の旅を楽しむ「マイクロツーリーズム」を推進し、国内の旅行需要を積極的に取り込もうとしています。星野リゾートの宿泊施設の特徴は、地域の有形・無形の資産を活用した魅力開発。北海道・リゾナーレトマムの「雲海」や、青森・奥入瀬渓流ホテルの「苔(こけ)さんぽ」などがヒットコンテンツとして有名ですが、現場主導で次々と生み出していく魅力づくりの仕組みは、他の業種でも参考になります。
他にもアフターコロナに向けたホテル業界の取り組みに関する記事を集めました。そこには「人を動かす」アイデアや仕掛けが詰まっています。ぜひ、参考にしてください。


外資系ホテルが3月相次ぎ上陸 インバウンド消滅でも強気な理由

8億円超の“別荘”を売るECサイトが登場 コロナ禍のホテル新戦略
星野リゾートの魅力開発、その手法

世界遺産、西表島のホテルで新機軸 星野リゾートの魅力開発(1)
星野リゾートが顧客から支持される大きな理由の1つが、施設ごとに工夫を凝らした独自のアクティビティだ。現地のスタッフが地域に眠る有形・無形の“資産”を掘り起こし、魅力的なコンテンツに仕立て上げる。これから数回にわたり、持ち前の現場力を生かした星野リゾートの魅力開発の裏側について見ていく。第1回は、2021年7月に世界自然遺産に登録されて注目を浴びている西表島にある「星野リゾート 西表島ホテル」だ。

「雲海、見られた」で終わらせない 星野リゾートの魅力開発(7)
2006年に本格的に始まった北海道「星野リゾート リゾナーレトマム」の「雲海テラス」。早朝5時から8時までの営業にもかかわらず、今や1日に平均1000人もの人々が楽しむ星野リゾートを代表するヒットコンテンツだ。営業開始から15年の節目を迎えた21年には大規模リニューアルを実施、8月4日に営業が始まった。雲海テラスの進化は止まらない。

京都で3施設を「サプライズ開業」 星野リゾートの魅力開発(6)
星野リゾート各施設での魅力開発について、今回はコロナ禍にもかかわらず京都で一挙に3施設の開業となった「OMO(おも)」の取り組みを紹介する。日本最大の観光激戦区である京都は“魅力の宝庫”でもあるが、その半面、新味を打ち出すのも難しい。しかも開業までの時間もわずか……。独自の魅力開発にOMOはいかなるアプローチで迫るのか。
個性で勝負、外資系ホテルの新展開

2021年8月4日発売の「日経トレンディ2021年9月号」では、「道の駅&サウナ 最強ランキング」を特集。道の駅を旅の目的地にした場合、食事や買い物の後にホテルまで行くのが面倒に感じるケースもある。そこに目を付けた、世界最大のホテルチェーンであるマリオット・インターナショナルが、道の駅へのホテル併設を進めている。それが「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト」だ。現在、14カ所の道の駅のそばに計1000室以上が出来ている。

狙いは日本人の認知度アップ アジア初、エースホテル京都が開業
新型コロナウイルス感染症の影響で開業を再延期していた「エースホテル京都」が2020年6月11日、ソフトオープンした。米エースホテルとしてはアジア初。同社は独特なデザインや地域コミュニティーを取り入れた、ライフスタイル型ホテルの草分け的存在。京都でもそのコンセプトが生かされている。

英インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)の新ブランド「ホテルインディゴ」が箱根に上陸した。最大の特徴は、日本ならではの温泉を大胆にアレンジした点にある。水着着用で混浴とし、ソファを配したり壁面にデジタルアートを投映したりと、まるでプールのような施設に仕上げている。
旅の体験、もっと面白く

行き先は“ガチャ”が決める LCC・ピーチの5000円旅くじが好評
格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)は2021年10月13日、渋谷PARCO(東京・渋谷)にて、行き先を選べない「旅くじ」の販売を始めた。コロナ禍で落ち込んだ旅客需要の創出を図り、新しい旅の形を提供する。

ポーラとANA、島根県が連携 美肌×衛星×観光の新事業を推進
イノベーション創出・実現のコンサルティングファーム、i.lab(東京・台東)のマネージングディレクターである横田幸信氏が先進企業のイノベーション担当者に取材し、どうすれば企業はイノベーションを実現できるかを現場の声から明らかにしていく。7回目は、ポーラ・オルビスグループの研究開発体制について4人のキーパーソンに聞いた後編。

伊勢神宮までは車で20分ほどの距離にある三重県多気町。ここに2021年7月20日、東京ドーム24個分の広大な敷地を有するリゾート型複合商業施設「VISON(ヴィソン)」がグランドオープンした。食と癒やしをテーマに、産直市場や有名パティシエとシェフが手がける飲食店、温浴施設、ホテルなど73店舗がそろう。内閣府が進めるスーパーシティ構想にも名乗りを上げたユニークなプロジェクトは、疲弊する地方都市の再生と循環型社会への挑戦でもある。