iPhoneが日本で2008年に発売となり、同時にApp Store上では多彩なアプリが販売されました。それをきっかけに多数の企業がスマートフォンを軸とした多彩なサービスを構築してきたのはご存じの通り。そんな一世代を築いたスマホというプラットフォームに続く新たなIT経済圏の土壌として注目を集めているのが「メタバース」です。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。
iPhoneが日本で2008年に発売となり、同時にApp Store上では多彩なアプリが販売されました。それをきっかけに多数の企業がスマートフォンを軸とした多彩なサービスを構築してきたのはご存じの通り。そんな一世代を築いたスマホというプラットフォームに続く新たなIT経済圏の土壌として注目を集めているのが「メタバース」です。
大きな話題となったのは、米フェイスブックの参入です。21年8月にVR(仮想現実)用のワークスペース「Horizon Workrooms(ホライズン・ワークルーム)」を発表しました。従来のパソコンやスマホといったコミュニケーション手法のみならず、このコロナ禍で加速する社会や生活の変化に合わせ、VRを軸に新たな収益の源泉を構築しようという考えでしょう。このほか日本でも、オンラインゲーム大手のグリーもメタバース事業に本格参入するといった動きがあります。
こうしたメタバースのビジネスに向けた期待が高まる背景には、デジタルデータに電子的な証明書を付与できるNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)の存在があります。このNFTの登場により、3Dキャラクターのデータなどについてメタバース内で売り買いが活発化すると期待されています。
もう一つの理由として、ゲームの世界でメタバース型のサービスが多数登場し、既に多くのユーザーを集めるていることは見逃せません。仮想空間内で複数の人が活動するタイトルとしては、米マイクロソフトの傘下企業が運営する「マインクラフト」、米ロブロックスの「Roblox」のほか、米エピックゲームスの「フォートナイト」や任天堂の「あつまれ どうぶつの森」などがあります。
ゲームは新たなIT技術を先行して家庭内に取り入れ、生活や社会に浸透させる役割を果たしてきました。21年9月30日~10月3日にかけて最新ゲームが一堂に集まる「東京ゲームショウ2021」がオンラインで開催されました。日経クロストレンドでも特設サイトを用意して、記事をお届けしています。これら最新のゲーム情報から、新たに生まれるビジネスの芽を探してみてはいかがでしょうか。

SNSの行き着く先「メタバース」とは ITの巨人も狙う新世界


VR秋葉原駅も登場 バーチャルマーケット6、リアルと接点広げる
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2020年に続き、今年もオンライン開催となる「東京ゲームショウ2021 オンライン」。会期は2021年9月29日~10月3日の5日間となる。9月1日には公式サイトを公開するとともに、「開幕まで1か月!東京ゲームショウ2021 オンライン 予習スペシャル」と題した特別番組をYouTubeで配信し、その概要を明らかにした。

イケアが格安ゲーミング家具に込める本気 ゲームショウにも出展
家具メーカーの参入が相次ぐゲーミング家具。そこにスウェーデンの家具大手イケアも名乗りを上げた。4999円という破格の安さのゲーミングチェアをはじめ、25種類の商品(2021年9月時点)を取りそろえ、アジアから世界へと展開する。「機能性と価格への驚きを意識した」というイケアの戦略を、イケア・ジャパン(千葉県船橋市)の担当者に聞いた。

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コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は2021年3月30日、アジア最大級のゲーム見本市「東京ゲームショウ 2021オンライン(以下TGS2021)」の開催概要を発表した。オンライン開催ながらも報道やインフルエンサー向けの試遊台を用意する準ハイブリッド形式でゲームの祭典を盛り上げる。
ゲーム業界キーパーソンインタビュー

カプコンのデジタル戦略が収穫期へ 今期売上高1000億円も射程内
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ソニックなど欧米で人気 セガの家庭用ゲーム販売、海外が8割超
2021年6月に大型タイトル『ファンタシースターオンライン2(PSO2)ニュージェネシス』、格闘ゲーム『Virtua Fighter esports』などのサービスを相次いで開始したセガ(東京・品川)。世界展開を強化している同社の戦略を代表取締役社長COO(最高執行責任者)の杉野行雄氏に聞いた。

Xbox、クラウドゲームで攻勢 マイクロソフトが狙うゲーム市場
日本マイクロソフトは近年、ゲーム分野での存在感を再び高めている。2020年11月には、新世代家庭用ゲーム機「Xbox Series X」「同S」を発売。Xbox用のゲームタイトルをモバイル端末やタブレットでプレーできるようにするクラウドゲームサービス「Project xCloud」のプレビュープログラムも日本でスタートさせた。また、「東京ゲームショウ2020 オンライン」(20年9月に開催)に6年ぶりに出展するなど、ゲーム市場へのアプローチも積極性を増している。同社がゲームに懸ける思いや、日本市場にどのように取り組んでいくのかを、日本におけるコンシューマー事業の責任者である竹内洋平氏に聞いた。
ゲームが開く最新ビジネス

参入相次ぐNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)市場。3年前からブロックチェーン(分散型台帳)事業に取り組んできたLINEは、独自の経済圏の構築を狙う。一方で、唯一無二の証明ができるNFTの特徴を使って、ノベルティーの配布などでの新たな活用を探る動きもでてきた。クラシックの総合情報誌「ぶらあぼ」を発行するぶらあぼホールディングスの子会社のロイヤリティバンク(東京・千代田)が新サービスを始めた。

イタリア車アバルトが独自マーケ 格闘ゲームでeスポーツ参入も
FCAジャパン(東京・港)はeスポーツイベント「ABARTH x ストリートファイターV - SCORPION CHALLENGE」を開催する。自社のイタリア車ブランド「アバルト」の名を冠し、カプコンの『ストリートファイターV チャンピオンエディション』(SFVCE)を使用したオンライントーナメント戦で、2020年に続いて2回目。現在は予選を開催中だ。10月に行うチャンピオンシップを制した優勝者には、賞金8万円に加え、日本eスポーツ連合(JeSU)公認プロライセンスを付与する。

YouTubeにはない多様性 Twitchがゲームの流行に火を付ける
前回、米アマゾン・ドット・コム傘下のTwitchが国内でも視聴時間を伸ばしていること、VTuberの配信を除くと既にYouTube Liveに接近していることを説明した。今回はこれを掘り下げ、YouTubeとTwitchそれぞれで人気あるコンテンツを分析する。