“推し”という言葉、聞いたことがある人は多いと思います。アイドル、声優、キャラクター……自分が好きなもの、あるいはそれを応援する気持ちを表す言葉として、すっかり定着しました。コロナ禍の外出自粛による巣ごもりで趣味に費やす時間が増えたのか、あるいは人と気軽に会えない寂しさからか、「新型コロナウイルス感染拡大後、新たに『推し』始めたものがある」と答えた人が2割を超えたというデータもあります(クロス・マーケティングの「『推し』に関する」調査より)。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 “推し”という言葉、聞いたことがある人は多いと思います。アイドル、声優、キャラクター……自分が好きなもの、あるいはそれを応援する気持ちを表す言葉として、すっかり定着しました。コロナ禍の外出自粛による巣ごもりで趣味に費やす時間が増えたのか、あるいは人と気軽に会えない寂しさからか、「新型コロナウイルス感染拡大後、新たに『推し』始めたものがある」と答えた人が2割を超えたというデータもあります(クロス・マーケティングの「『推し』に関する」調査より)。

 推しへの思いは消費も動かします。推しを応援する活動、いわゆる「推し活」のお供といえば、かつてはコンサートで振るうちわやペンライトが一般的でした。しかし、今は手元に置いて、日常生活の中でも推しの存在を感じられる商品も人気です。推しのイメージカラーなどをあしらった「推し色」グッズはまさにそれ。カラーバリエーションがある商品の中から1つを選ぶとき、「好きな色より推しの色!」という人は少なくありません。そこを狙ってカラバリを「推し色」として打ち出すパイロットやフェリシモのような取り組みもあります。

 また、ファンの推しへの思いを商品企画や販売促進につなげる試みも。女性に人気の二次元アイドルグループ「アイドリッシュセブン」(アイナナ)をアンバサダーに起用した森永乳業の「リプトン」ブランドやロート製薬が最近の好例です。両社はアイナナとコラボすることで、自社商品の売り上げや知名度アップに成功しました。

 ここでのポイントは、コラボ商品の購入理由が単にグッズが欲しい、コレクションしたいといった欲求だけではないということ。推しの飛躍を祝い、推しを起用してくれた企業への感謝を込めて商品を購入する人が多いことが、取材からも分かってきました。

 こうしたファンの消費活動のベースにあるのは、推しを応援する気持ちです。人気者とのコラボは古くからの定番戦略ですが、推しを持つ人の増加や推し活の多様化で、消費につながる動機は変化しています。今回は、そんなファン心理の機微を捉え、マーケティングに生かした企業の事例を紹介します。

玩具「パチェリエ」が大人女子に想定外ヒット 裏に“推し活”あり


パイロットの30年記念文具は「推し活」用 細部に隠しメッセージ


通販大手フェリシモの「推し色」戦略 オタ活から新ブランドが


“推し”への気持ちで商品が売れる

「アイナナ」ファン殺到 森永乳業とロートが“推し”で販促戦略

 「推し」を応援したいというファンの熱い思い。それは時にその推しを広告などに起用した企業にも向き、商品の売り上げや企業の好感度の底上げにつながる。直近ではゲームから生まれた2次元アイドル「IDOLiSH7(アイドリッシュセブン)」を起用した森永乳業、ロート製薬がその例だ。ファンの心をつかんだ施策とは?


「ゲームキャラがルイ・ヴィトンを着る時代」 バンナム社長が語る

 「デジタルとフィジカルの融合」を掲げ、コロナ禍以降も見据えたエンターテインメントの進化に取り組むバンダイナムコエンターテインメント(BNE)。イベントにおけるリアルとオンラインの連動や、ゲーム事業、eスポーツ事業について宮河恭夫社長に聞いた前編に続き、後編では「ガンダム」「アイドルマスター」など、同社が誇るIP(知的財産)の強化戦略について掘り下げる。


データで見る鬼滅コラボ商品 玩具菓子トップ10のうち4つ独占

 全国小売店の販売データを集計する日経POS情報で、2020年10月の来店客千人当たり販売金額の前年同月比伸び率を調査したところ、食品ジャンルの増加率5位に「玩具入り菓子」が入った。映画が大ヒット中の『鬼滅の刃』コラボ商品が人気を集めた。


Z世代は“推し活”に熱心?

Z世代女子を分析 企業が「推し」を味方に付けるための5カ条

 本特集では、ファンの「推し」を応援する気持ちが、どう消費にひも付くかを見てきた。その心理変化はどのようなものなのか。また企業が「推し」を通してマーケティング活動をする場合、何に気を付けなければならないか。電通がZ世代女子に対して実施したアンケートとともに見ていく。


推しグラス、トレカケースデコがヒット Z世代「推し活」新潮流

 25歳前後よりも若いZ世代の多くが、いち推しのメンバーなどの「推(お)し」がいると回答しています。ライブイベントが軒並み中止になる中、自宅でも「推し活」「オタ活」に励んでおり、新たなトレンドも生まれています。Z世代を研究するZ総研のトレンド分析担当が、アンケートとヒアリングから推し活の新潮流に迫った。


ヲタ活に年間15万 2次流通から見えたアラ20女子の消費行動

 2021年2月3日、楽天とSHIBUYA109エンタテイメント(東京・渋谷)は共同で「フリマアプリから見える、最新の若者消費解説セミナー」を開催。同セミナーからは、フリマアプリで“ヲタ活グッズ”をせっせと購入するアラウンド20女子の実態が見えてきた。


海外企業も“推し”コラボ

米マクドナルド、韓国BTSと組み過去最大級のマーケティング展開

 最初はラップ歌手トラビス・スコットだった。今度はKポップのスーパースターと組み、特製メニューのアイデアが世界規模でどんなふうに見えるか試している。その後も、マクドナルドがこの新しいマーケティング作戦を推し進めていくのは確実だ。


韓流コスメの次は「タイコスメ」 Z世代が爆買いする3つのワケ

 実は今、韓国コスメ、中国コスメに続き、Z世代の若者の間で注目を浴びているのが、タイコスメだ。2020年夏、タイの人気ブランド「SRICHAND(シーチャン)」のフェースパウダーが日本で発売され、「マスクを着けていても化粧崩れしにくい」と大ヒット。21年は次々とタイコスメブランドが上陸し、商品ラインアップが一気に増える。タイ発「BL(ボーイズラブ)ドラマ」のヒットも追い風となりそうだ。


グッチとドラえもんの異色コラボが好調 高級ブランドの狙いは

 「グッチ」と「ドラえもん」のコラボ商品が好調という。「ルイ・ヴィトン」もこれまで多くの異色コラボを展開してきた。PR効果や売り上げ、客層の拡大だけではない、ラグジュアリーブランドが異色コラボに取り組む真の狙いとは。