デザインの考え方を企業の競争力につなげる「デザイン経営」を採用する動きが加速している。富士通などは、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代の新たなビジネス手法として重視。全社員にデザイン経営の基礎といえるデザイン思考を身に付けさせようとしている。

(写真/Shutterstock)
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 デザインの考え方を企業の競争力につなげる「デザイン経営」を採用する動きが加速している。富士通などは、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代の新たなビジネス手法として重視。全社員にデザイン経営の基礎といえるデザイン思考を身に付けさせようとしている。先行きが不透明な時代には、今までにない発想や働き方が求められるからだ。単に先進的なデザインを取り入れて商品を開発することがデザイン経営ではない。

 最近はデザインに関心を抱く中小企業の経営者が増えてきた。過大な設備投資が不要で、ちょっとしたアイデアや工夫で他社と差異化でき、イノベーションやブランディングにつながるという期待がある。日本デザイン振興会は、デザイン経営が企業の業績にどれくらい貢献しているかを示すため、大規模なアンケート調査を実施し、2020年11月に結果を発表した。するとデザイン経営に積極的な企業ほど成長力が高い傾向が見られたという。

 デザイン経営を実現するには、デザイン思考を学ぶのが分かりやすい。デザインやデザイナーの考え方を理解するためだが、デザイン思考にはさまざまな解釈があり、理解にしにくいのも事実。重要な点は、「デザインができるまでのプロセスを学ぶ」のではなく、「なぜデザイナーは、そうした発想をするのか」という、まさに思考法にある。考え方さえ分かれば、いろいろな場面に応用できるはずだ。

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デザイン思考ベーシック

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