SNSが生活に溶け込んだソーシャルネーティブのZ世代。1990年代半ばから2000年代の初めに生まれた25歳前後よりも若い世代で、新たなトレンドの発信地として消費に影響を与えています。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。
SNSが生活に溶け込んだソーシャルネーティブのZ世代。1990年代半ばから2000年代の初めに生まれた25歳前後よりも若い世代で、新たなトレンドの発信地として消費に影響を与えています。
そんなZ世代が気になっているものは何か――。日経クロストレンドでは、専門家への取材やZ世代を交えた座談会を通じて、その消費行動に迫りました。
例えば、Z世代を研究するZ総研のアンケート調査や現役高校生へのヒアリングから出てきたのが、「呪術廻戦」。芥見下々さん作の漫画で、20年10月からはテレビアニメの放送も始まり、人気が加速しています。独創的なキャラクターに加え、声優陣が豪華なこともZ世代を引き付けています。「鬼滅の刃」をきっかけにアニメや漫画に関心を持つようになった若者も多く、「今アニメかいわいがアツい!」と現役高校生も語ります。フードでは、「台湾カステラ」や「大鶏排(ダージーパイ)」など台湾発のトレンドに注目が集まっています。
約3万2000人に対する調査結果を基に、消費者の真の姿に迫る「消費者調査」特集でも、Z世代の新たなトレンドが見えてきました。コロナ禍での価値観の変化を見たところ、Z世代が大きな影響を受けていることが判明。10代男性で目立ったのが、「情報に踊らされるのは、もううんざりしている」といったものでした。さらに、「社会貢献をしたいと思っている」という項目の上昇も目立ちます。一方、10代女性は、安定感と信頼感を求めて買い物をする堅実な姿が見えてきました。
Z世代に影響を与えるSNSの人気インフルエンサーの傾向にも変化が起きています。若者といえば“映え”重視と思われがちですが、実は人柄重視でインフルエンサーを選ぶというのです。企業がインフルエンサーとコラボを考える際には、インフルエンサーと企画が本当にマッチしているのか、ファンは違和感を持たないかなどに従来よりも気を付ける必要がありそうです。
近い将来、消費の中心になるZ世代。その新たな消費スタイルやトレンドを今後も追っていきます。

Z世代の新トレンド9選 デカ映え、隠れメーク男子、おじフード…

Z世代の21年注目モノとは? 台湾カステラ、夜ピク、呪術廻戦…

データと座談会から見える「Zの本音」

3万人調査で判明 価値観変えたコロナ禍、Z世代女性は堅実志向に
新型コロナウイルス感染症の拡大は、人々の価値観や消費行動、嗜好にどんな影響を与えただろうか。約3万2000人に対する調査結果を基にした特集企画。コロナ禍において価値観の変化が特に大きい若年層を中心に、変わりつつあるリアルな消費者像に迫る。第1回はZ世代に当たる女性10代、20代を見ていく。

約3万2000人に対する調査結果を基に消費者の真の姿に迫る「消費者調査」特集。テーマは「アフターコロナ」。その第2回は、新型コロナウイルス感染症の拡大前後で価値観を大きく変えた男性10代、20代に着目した。いわゆるZ世代と呼ばれる彼らの消費行動や嗜好は、コロナ禍でどう変化しただろうか。

約3万人の消費者調査で、アフターコロナにおいて大きく価値観が変わったとされるのが10~20代のいわゆる「Z世代」だ。彼ら、彼女らの消費行動は具体的にどう変わったのか。Z世代と企業をつなぐビジネスを展開するdot(東京・渋谷)の協力を得て、Z世代座談会を実施した。
ジェンダーレスへの感度も高い

学校の制服にジェンダーレスの動きが拡大している。Z世代の中学・高校生に詰め襟やセーラー服以外の選択肢が増え、マーケターにとっても商品開発のヒントになるだろう。「トンボ学生服」のブランドで知られ、学生服を製造・販売するトンボ(岡山市)は「ジェンダーレス制服」を他社に先駆け2015年からいち早く開発。特に、そのうちの1つとしてデザインした女子用スラックスが、21年4月から1000の中学・高校が採用するヒット商品になった。

いまや「ジェンダーレス」という視点抜きに商品開発やマーケティングはできない時代だ。男性にも化粧水や美容乳液などの基礎化粧品で肌を整えたり、補正クリームで肌をきれいに見せたりしようという意識が広がる中、男性・女性の壁を意識せず、ジェンダーレスに自分らしさを追求できるメンズコスメ「BOTCHAN(ボッチャン)」が注目を集めている。

セイコーのZ世代向け腕時計「fusion」 独特の色使いで魅了
セイコーウオッチのカジュアルブランド「ALBA」のサブブランドとして、2019年10月に誕生した「fusion(フュージョン)」。ターゲットはZ世代で、コンセプトはジェンダーレス。“時計離れ”が進む若者にアピールしようと、独特のカラーデザインを駆使する。
パラレル、ホカンス、時限食……まだある新トレンド

打倒クラブハウス!? Z世代が毎日3時間利用する「パラレル」
音声SNSといえば「Clubhouse(クラブハウス)」が話題だが、国産の音声SNS「パラレル」も日本を含むアジア圏で100万ダウンロードを超える人気となっている。クラブハウスとは何が違い、何がウケているのか。アプリを開発したReact(リアクト、東京・港)の代表2人に話を聞いた。

政府や自治体から自粛を促され、今春、大学生たちは国内外で楽しむ例年通りの卒業旅行(卒旅)が難しい状況となった。そうした中、大学生の間で大きな話題を呼び、利用客が急増したのが、都会の高級ホテルに仲間と宿泊する新しい形の卒旅。特に、2021年1月、先陣を切ってホテルステイの卒旅プランを展開し始めたホテルニューオータニ(東京・千代田)が人気を博した。その背景にはZ世代攻略のための周到な新戦略があった。

2020年Z世代トレンド 若者に刺さった「時限食」とは?【前編】
若者研究の第一人者であるマーケティングアナリストの原田曜平氏が主催する若者ヒットのプレゼン大会。今回、プレゼンに参加する高校生、大学生のメンバーを中心に、「2020年Z世代トレンド」をまとめた。TikTokの「ノーズペイント」や「顔だけどあっぷ」、賞味期限5分の「泡泡泡プリン」、Twitterで人気爆発の「100日後に死ぬワニ」――。Z世代の心を動かしたキーワードとは?