新型コロナウイルス感染拡大でテレワークが一般化し、企業もオフィススペースを一部解約、KADOKAWAは所沢へ、パソナは淡路島へとオフィス移転を決めた企業も出てきたことから、「すわ、東京大脱出が始まった!」と言わんばかりの報道がにぎわいを見せています。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 新型コロナウイルス感染拡大でテレワークが一般化し、企業もオフィススペースを一部解約、KADOKAWAは所沢へ、パソナは淡路島へとオフィス移転を決めた企業も出てきたことから、「すわ、東京大脱出が始まった!」と言わんばかりの報道がにぎわいを見せています。

 ではどのくらい郊外や地方への移住熱が高まっているのか。日経クロストレンドが2021年1月末~2月初旬にかけて東京23区民1000人にアンケートしたところ、約7割が「当分、東京から離れる考えはない」という回答でした。また移住希望者は以前から検討している人が大半で、コロナがきっかけで思い立った人は極めて少数でした。

 コロナ収束後にテレワークから通常勤務に戻る可能性があれば、そうやすやすと引っ越せるものではありません。子供の転校が伴えば尚更です。思い切った移住は、そうしたしがらみの薄いフリーランスや未婚の若い世代などに限られるのが現実と言えるでしょう。

 郊外の一部自治体では、「コロナで転入超過」という数字も上がっています。が、これは都心からの脱出組が増えているというより、都心に転出する人が減ったことによる差し引きプラス現象です。例えば都内で一人暮らしを予定していた郊外の大学生が、オンライン授業になったことから、予定を変更して郊外の実家にそのまま住み続けるという具合です。

 リクルートの住宅情報サイト「SUUMO(スーモ)」が21年3月8日発表した、恒例の「住みたい街ランキング2021(関東版)」は、1~7位が前年と全く変わらず、13位まで前年と同じ駅名が並ぶという、近年で最も変化に乏しいランキングでした。

 移住が活発化するためには、テレワークが多くの企業で制度として恒久化し、どこに住んでも、また転職しても、業務に支障がない環境が整う必要がありそうです。

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1000人調査で判明 移住希望者は3割、「コロナがきっかけ」は5%


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本厚木はまさかの0票 移り住みたい「郊外」「地方」ランキング


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コロナで変わったこと・変わらないこと

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富永氏が考えるコロナの影響「変わってないことがはるかに多い」

 プリファード・ネットワークス執行役員CMO(最高マーケティング責任者)の富永朋信氏に、2020年の総括および21年の展望を話してもらった。コロナ禍で進化したと叫ばれるネットを介したコミュニケーションだが、富永氏は「手放しで賛成と言えない」と考える。その理由とは。


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「多拠点生活時代」到来か コロナで進む「名より実」の住宅選び

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってリモートワークが広がり、住むという概念が一変した。全国を転々としながら暮らす「多拠点生活」という生き方が夢物語ではなく、現実味を帯びてきたのだ。一方、既存の住宅地では選別が始まる。本当に暮らしやすいかどうかを求め、しなやかに住み替える時代が訪れるかもしれない。


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ワーケーションと副業解禁の拡大が“シン・チホウ(新・地方)”生む

 コロナ禍の影響で脚光を浴びている「ワーケーション」と「副業解禁」。これらをうまく生かし、東京のビジネスパーソンが地域の人々と協働して日本の地域産業の個性を磨き上げていく――。そこにコロナ後の世界に適応した“シン・チホウ(新・地方)”の可能性があるのではないだろうか。


大東建託が居住者に尋ねた「居住満足度」の結果は?

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広尾が首位陥落、上位から消えた市ヶ谷 「住みここち」調査

 実際に住んでいる人に「居住満足度」を聞いたランキングの最新版が2020年6月18日に発表された。上位2駅はいずれも都心の高級住宅地だが、調査を行った大東建託は「静かな環境が評価されているようだ」と話す。


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首都圏は広尾、関西は夙川 「住みやすい街」に共通するのは?

 大東建託が実際にその街に住む人に「居住満足度」を聞いた「街の住みここち」ランキング。2020年5月20日、約1年をかけて全国を調査した結果を分析し、総論として発表した。見えてきたのは「住みここちのいい街」と人口増加の相関関係だ。


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首都圏「住みやすい街」は市ケ谷・北山田 意外な結果のワケ

 大東建託は実際にその街に住んでいる人に聞いた「住みやすい街」のランキングを公表した。よくある「住みたい街ランキング」とは異なる結果を、どう見るか。同社は今後、自治体との連携も視野に、データを生かした街づくりに取り組む方針だ。


自治体マーケティング力ランキング

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自治体マーケティング力ランキング トップ30 1位は北海道占冠村

 「日経クロストレンド」は、人口減少社会の中でも人口増や活性化に成功している自治体を評価するべく、定住人口、観光人口、関係人口の“3つの人口”に着目し、全国1741市区町村の「自治体マーケティング力ランキング」を算出した。マーケティング課を設置する自治体も現れ、住民を呼び込む仕組みづくりに努めている。


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定住人口増加率ランキングベスト30 勝ち組・流山市のマーケ戦略

 「日経クロストレンド」が算出した「自治体マーケティング力ランキング」特集の2回目は、定住人口の増加率に着目。千葉県流山市は、この10年で定住人口を約3万3000人、増加率にして21%超増やした。この成果を主導したのが、2005年のつくばエクスプレス開業に先駆けて設置したマーケティング課だった。


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観光人口増加率ランキングベスト20 熱海市の戦略「ADを狙え」

 特集3回目の観光人口ランキングでは福島県国見町がトップ。2年で400万人も集客した道の駅「国見 あつかしの郷」が奏功した。2位の福岡県吉富町は「女子力」をテーマにイベントを仕掛けた。20位以内ではないが熱海市はテレビ番組を年100本も誘致して市の活性化につなげた。

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