女性向け転職サイトのLiB(東京・港)が、2020年6月に実施した調査(有効回答数600)で、新型コロナの感染拡大でキャリア観に変化を感じた人のうち、具体的な行動に移した人は66%に上りました。具体的な行動とは、転職活動、資格取得、副業準備などです。日経クロストレンドの記者が解説します。

(写真/Shutterstock)
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 女性向け転職サイトのLiB(東京・港)が、2020年6月に実施した調査(有効回答数600)で、新型コロナの感染拡大でキャリア観に変化を感じた人のうち、具体的な行動に移した人は66%に上りました。具体的な行動とは、転職活動、資格取得、副業準備などです。

 リモートワークで通勤時間が減るなどした結果、自分にとって「何が大切か」を考える時間ができました。その結果、通勤時間や自宅でできる仕事をあえて会社ですることの非効率性を感じる一方で、家族とのコミュニケーションなど、自分に必要な時間を持つことの大切さに気づいたといいます。

 自分は本当に何をしたいのか。新型コロナウイルスの感染拡大で、これまでないがしろにしてきた自分の気持ちに敏感になっています。生活の中でどんな感情を得たいのか。そのためにはどう時間を使い、どんなモノを選べばいいのか。

 例えば、その1つは「安心」です。「宅配とTwitterで売り上げ回復 老舗くず餅店“中の人”の人材力」でも触れたように、船橋屋(東京・江東)では、マスク不足が続いた時期に、店舗用に備蓄していたマスクを「ご自愛ください」と書いた袋に入れ通販の顧客に送りました。また、あるアウトドアブランドは、緊急事態宣言下で何十万人もいる顧客に「お元気でお過ごしですか」と様子を尋ねる電話をしました。むろんこれだけが理由ではありませんが、その後、両社とも顧客や売り上げの顕著な増加が見られています。

 東日本大震災直後に取った「好感を持った、魅力的に映った、高く評価した」企業のアンケートでは、ソフトバンク、ユニクロ、サントリー、ヤマト運輸、ローソンがベスト5に。企業や経営者が支援活動や寄付を行ったり、CMや支援物資などで被災者を勇気づけたり、という企業が並んでいました。コロナ禍の昨年4月に同様のアンケートを取ったところ、ダントツの1位となったのはシャープ。マスク生産に迅速に乗り出したことが好感を得て、高い評価につながりました。 

 自分の心に敏感になると同時に、人の気持ちにも敏感になっています。自分の幸せを本当に願ってくれる人、喜びを一緒に分かち合える人、同じ世界観を共有できる人。心が動くのは、そんな人と一緒にいるときでしょう。モノやサービスの後ろにも、強烈に「それ」を感じられると得がたいつながりができていきます。

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宅配とTwitterで売り上げ回復 老舗くず餅店“中の人”の人材力


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震災10年、有事の好感企業ランキング 1位はソフバン、シャープ


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コロナ禍で売れ筋カラーに変化あり 緑や黄色が売れるワケ


本当の声どう探す

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ラコステがゼロパーティーデータ活用へ アンケート回答率2倍に

 サード・パーティー・クッキーの規制とマーケティングに与える影響を探ってきた本特集。第6回ではポストクッキー時代の新概念「ゼロ・パーティー・データ」を取り上げた。この新たな概念にいち早く取り組むのが、ポロシャツで知られるアパレルブランドのラコステ ジャパン(東京・品川)だ。同社は2021年1月から自社の顧客データ基盤を見直し、ゼロ・パーティー・データの取得に乗り出した。


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「本麒麟」販売は前年比1.3倍 なのに最大規模で3度目刷新のワケ

 キリンビールの「本麒麟」が過去最大規模の投資額となる3度目のリニューアルを行う。2020年は酒税改正による税率アップやコロナ禍といった逆境が襲ったものの、販売実績は前年比132%と、発売以来、最高になった。好調なのに大型刷新を決断したのは、まだ本麒麟を飲んだことのない新規層にも価値を伝え、さらなるブランド強化につなげるためだ。


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全社員巻き込みリブランディング 企業の存在意義から見直す

 リノベーションなどの事業を手掛けるLOOPLACE(ループレイス、東京・千代田)は、それからデザイン(東京・渋谷)に依頼し、2020年1月に社名やロゴの変更などデザインを活用したリブランディングを行った。デザインが出来上がるまでのプロセスを、それからデザインが最初から最後まで公開したこともあって、満足できる結果を得られた。


ランキングにも変化

心を動かす接点があるか、「共感をつくるヒント」まとめ記事(画像)

顧客体験価値ランキングでくら寿司が2位に、新型コロナ対応が鍵

 ブランディング事業を手掛けるインターブランドジャパン(東京・渋谷)のグループであるC Space Japanは2020年11月11日、「顧客体験価値(CX)ランキング2020」トップ50を発表した。1位はディズニーで、2位はくら寿司。withコロナ時代に適した顧客体験の提供がポイントだ。


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全自動車ブランドの価値低下 ニトリと無印の明暗が分かれた理由

 ブランディングのコンサルティング事業を手掛けるインターブランドジャパン(東京・渋谷)は2021年2月25日、日本ブランドの価値評価ランキング「Best Japan Brands 2021」を発表した。新型コロナウイルス感染症拡大により生活様式が一変したこの1年は、過去初めて全自動車ブランドの価値が減少。一方、ゲーム会社からコミュニケーションインフラへと領域を広げた任天堂などが大きくブランド価値を高めた。


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化粧品業界の変化 バリア&免疫目的も 注目は「自分軸」

 美容系総合ポータルサイト@cosmeの企画・運営、関連広告サービスを提供するアイスタイル(東京・港)は「@cosmeベストコスメアワード 2020」(以下、ベストコスメアワード)を発表した。「コロナ禍」の影響で市場が縮小する一方、高価格帯商品が支持されたという。2021年は「自分軸」がキーワードになると予測する。


個の潜在ニーズ

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新しいD2Cの商品開発、3つのポイント SNSで顧客インサイト発見

 大量消費を前提とした従来型のマーケティングは行き詰まり始めている。膠着(こうちゃく)した消費を切り開くにはやはり商品開発から取り組むべきだろう。消費者に選ばれるには、本質的・継続的なペイン(課題)を掘り起こし、課題に寄り添い続けるための商品開発が必要だ。D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)ブランドはSNSの活用で、この課題に寄り添う商品開発を実現している。


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「個」の時代のマーケティング 大事なのは予測を超える顧客目線

 コロナ禍を機にようやく訪れようとしている「個」の時代。消費者の価値観もモノとの向き合い方も変わり、もはや「自分にとっての実利」があるものしか売れないと前刀禎明氏は指摘する。今回は、そんな「個」の時代にマーケターはどう向き合うべきかを考える。


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顧客価値を3つに図解 差をつくるのは「つながっている価値」

 コロナショックにより、チャネルのオンラインシフトや、デジタルによって顧客と直接的なつながりを築く流れは、急激かつ不可逆的に推し進められることになった。新しい時代において、企業は顧客とどのようなつながりを、どのような場で、どんなモデルで築いていくのか。連載第4回では、前回に引き続き、ニトリなど国内外で先行する企業事例を通して、取り組むべき問いを考えていく。

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