2021年に入り2カ月。まだ気は早いですが、今のところのヒット商品は何か?と言われれば、「クラブハウス」が最右翼なのではないでしょうか。現在は沈静化しつつありますが、初期の熱狂はすさまじいものがありました。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 2021年に入り2カ月。まだ気は早いですが、今のところのヒット商品は何か?と言われれば、「クラブハウス」が最右翼なのではないでしょうか。現在は沈静化しつつありますが、初期の熱狂はすさまじいものがありました。

 新型コロナウイルスの感染拡大で人と人とのリアルな接触が制限され、このような「肉声で話せる場」に飢えていた人が非常に多かったのでしょう。いろいろなルームで、雑談の素晴らしさを再認識したという声が聞かれました。

 同じく新型コロナの影響で、再び脚光を集めている言葉が「セレンディピティー」です。簡単に言うと「偶然の出会い(出合い)やひらめき」の意味。リモートワークが急速に広がったことで、オフィスでの他愛もない雑談が減り、セレンディピティーによる偶発的なアイデアが生まれなくなった、と言われています。

 オンラインではセレンディピティーをつくり出すことは難しいのでしょうか? 答えは否です。面白法人を標榜するカヤックの、アートディレクターでデザイナーの中川直明氏は、むしろ「オンラインのほうが圧倒的に正解にたどり着くまでの時間が早くなった」と言います。カヤック流のオンラインブレスト術、その極意をたっぷり話していただきました。

 冒頭のクラブハウスも、セレンディピティーの場として一役買っていると言います。「食べチョク」を運営するビビッドガーデン社長の秋元里奈氏は「既にクラブハウスをきっかけに新たに出品してくれた生産者さんもいる。始めて1週間くらいで、10件ほどになった」と手応えを語ります。

 これらは、いわば「人と人とのセレンディピティー」です。もう一つ、コロナ禍で失われつつあるのが「人と物とのセレンディピティー」。外出自粛の流れでEC化がさらに進み、書店などにふらりと立ち寄り、衝動買いをする機会がさらに減りました。

 この流れに抗おうとしているのが三井不動産です。店に来てもらえないのであれば、店が行けばよい。こんな逆転の発想で、「移動商業店舗」プロジェクトを立ち上げ、飲食から物販、サービスまで「動く店舗」を全国各地に配置する計画です。

 人と人、人と物のリアルな接触は、アフターコロナになっても完全に元に戻ることはないでしょう。新たなセレンディピティーのつくり方を、企業の先進事例を見ながら、ぜひ参考にしていただけますと幸いです

クラブハウスが突破口? 「セレンディピティーのつくり方」まとめ記事(画像)

「ひらめき」の作り方 コロナで消えた2つのセレンディピティー


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カヤック流ブレスト術「リモートでも無限にアイデアを生む」方法


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「動く商店街」「未来の私」三井不、オルビスが導く偶然の出合い


クラブハウスは突破口になる?

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クラブハウスは生き残れるか? はや検索激減、ポケGO型の兆し

 2021年1月末に彗星(すいせい)のごとく現れブームを巻き起こした音声SNS「クラブハウス」。その後の普及状況は「破竹の勢い」なのか、あるいは「山高ければ谷深し」なのか。データを基にクラブハウスの今後を占ってみる。


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企業のクラブハウス活用、ファンと企画会議も【徳力氏×秋元氏】

 急速に人気が広がる米国発の音声SNSが「クラブハウス」だ。ビジネスパーソンから芸能人までもが熱狂し、一大ムーブメントになっている。何が魅力なのか、そして企業はどう活用すればよいのか――。noteの徳力基彦氏と「食べチョク」を運営するビビッドガーデン代表の秋元里奈氏、2人のクラブハウスヘビーユーザーに聞いた。


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話題の「クラブハウス」になぜハマる 起業家たちが語る“中毒性”

 米国発の音声SNS「クラブハウス」のブームが、日本にも飛び火している。米Alpha Explorationが2020年に開始したサービスで、テキストや動画ではなく、声で複数人とリアルタイムに雑談できる点に特徴がある。


共創、偶然を生む企業の先進事例

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オフィス強制閉鎖でも共創が加速 Slackの「雑談を生む」仕掛け

 新型コロナウイルス感染症の影響で2020年3月からオフィス閉鎖を貫くSlack Japan(東京・千代田)。「全社員リモートワーク」を続けた結果、部署の垣根を越えたセレンディピティーが日常的に生まれるようになった。その中心にあるのは、もちろんビジネスチャットの「Slack(スラック)」。短時間で新たな企画が立ち上がるという、その実例は会えないという制約を飛び越えるヒントに満ちている。


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国産ホワイトボードツールに問い合わせ殺到 コロナ禍の新会議術

 コロナ禍の中、リモートワークに対応した国産ツールが次々と発進した。デザイン会社のグッドパッチはホワイトボードを模した「Strap(ストラップ)」を、スタートアップのnoco(東京・墨田)はコラボレーションツール「toaster team(トースターチーム)」を、それぞれ2020年に公開した。共通点はチーム内で情報を出し合えるフィールドがあること。1+1が3以上になる、思わぬアイデアに化ける可能性がある。


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パルコが目指す新たなデジタル融合「予想外の出会いを生み出す」

 日本の「アフターデジタル」化はなぜ後れを取ったのか。どう挽回し、今後は何を目指していくべきなのか。パルコの店舗DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する林直孝氏と書籍『アフターデジタル』の共同著者であるIT評論家の尾原和啓氏が対談で解き明かす。


ニューノーマルに備えて変わるオフィス

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アフターコロナのオフィスは「行く意味」が問われる

 国内外のオフィスデザインに詳しいコクヨ ワークスタイル研究所所長の山下正太郎氏は、「アフターコロナ時代は、魅力的なオフィスでなければ行く意味を見いだせない」と言う。単に集まって働く場所としてではなく、企業文化や信頼関係の構築に、オフィスがどのように貢献するかが重要になってくる。


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KADOKAWA旗艦オフィスはなぜ所沢か テーマパーク型で自社を体現

 我々の働き方を180度変えた新型コロナウイルスの感染拡大。アフターコロナの働き方、オフィスの在り方、デザインなどはどう変化していくのか。第1回は出版大手のKADOKAWAが、埼玉県所沢市に建てた巨大オフィスを見ていく。家でもカフェでも働けるようになった今、オフィスに行く意味は何なのか。KADOKAWAの新オフィス「所沢キャンパス」は、これを突き詰めた1つの答えを提示している。


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富士通、キリン、ぐるなび、PayPay オフィス改革、見えた新潮流

 富士通やキリンといった大企業でも、オフィス改革などを表明する例が増えてきている。第2回は前出2社にぐるなび、PayPayを加えた4社の取り組みを紹介していく。共通するのは「共創空間」。例えばぐるなびは、楽天本社の二子玉川への移転を指揮した新社長が作戦スペース「ハドルポイント」を導入する。アフターコロナに向けた新たな働き方へと各社が舵(かじ)を切っている。