新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、1都3県を皮切りに2度目の緊急事態宣言が発令されました。一度は解禁された往来が、再び大きく制限されることに。しかし、そんな中にあっても、次世代移動サービス「MaaS」の社会実装を目指す取り組みは、着実に前進しています。日経クロストレンドの記者が解説します。

(写真/Shutterstock)
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 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、1都3県を皮切りに2度目の緊急事態宣言が発令されました。一度は解禁された往来が、再び大きく制限されることに。しかし、そんな中にあっても、次世代移動サービス「MaaS」の社会実装を目指す取り組みは、着実に前進しています。

 MaaSとは、複数の交通手段を組み合わせ、スマホアプリ1つで検索、予約、決済できる世界のこと。2020年12月、三井不動産は日本ではまだ珍しい定額制(サブスクリプション)のMaaS事業に乗り出すと発表しました。フィンランドで実績を積んだMaaSグローバルのアプリ「Whim(ウィム)」を使って、バスやタクシー、シェアサイクルを自由に組み合わせて移動できる体験を提供します。

 明らかになったプランは、月額1万円で1万2000円分乗車できる「Whim 10」、月5000円で6000円分の「Whim 5」、月2000円で2400円分の「Whim 2」の3種類。東京・日本橋エリアと豊洲にある三井不動産の対象マンション計710戸の住民を対象に、まずは21年3月末まで実証実験を続ける予定です。

 障がいを持っていても、高齢者でも、アプリ1つで公共交通をスムーズに乗り継ぎ、行きたい場所にいつでも行ける「Universal MaaS」を推進しているのは、全日本空輸(ANA)と京浜急行電鉄(京急電鉄)、神奈川県横須賀市、横浜国立大学です。

 合言葉は「誰もが移動をあきらめない世界へ」。コロナ禍の中、このプロジェクトに賛同するパートナー企業は前年の3倍以上に増えました。「物理的な治療やリハビリなど、どうしても移動を自粛できない方々のためにも、足踏みしているわけにはいかない」。発起人であるANAのMaaS推進部大澤信陽(のぶあき)氏は、そう決意を込めます。

 東急は21年1月から「DENTO(デント)」という実証実験を始めました。通勤定期券を持つ東急田園都市線沿線の住民に向けて東京駅や渋谷駅とを結ぶ通勤高速バスや相乗りハイヤーを割安価格で提供。東急線や東急バスの1日乗り放題チケットは早い者勝ちで、それぞれ100円で販売します。

 コロナ禍を乗り越えた先には、新しい移動の形がきっと広がっている。その日のために歩みを止めない人々の奮闘を、日経クロストレンドは、これからも追っていきます。

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三井不が「サブスクMaaS」拡大 店舗のモビリティ化も推進へ


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コロナ禍でも前進 ANA×京急「ユニバーサルMaaS」の現在地


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東急沿線&観光MaaS 定期券ユーザー向け相乗りハイヤーも導入


MaaSで変わる観光、店の形

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東急Izuko「中の人」が実体験 観光型MaaSの理想と現実

 東急やJR東日本などが静岡県の伊豆エリアで取り組んできた観光型MaaS「Izuko(イズコ)」。2度にわたる実証実験は2020年3月に終了したが、そこで得られた学びとは何か。この実証実験をけん引してきた「中の人」であり、書籍『MaaS戦記 伊豆に未来の街を創る』を出版した東急の森田創氏による寄稿の前編。


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アフターコロナ時代 「観光型MaaS」の果たす役割とは?

 東急やJR東日本などが静岡県の伊豆エリアで取り組んできた観光型MaaS「Izuko(イズコ)」。2度にわたる実証実験を牽引してきた「中の人」であり、書籍『MaaS戦記 伊豆に未来の街を創る』を出版した東急の森田創氏による寄稿の後編。アフターコロナ時代の観光型MaaSの在り方を考える。


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コロナ禍にも強い移動型店舗 MaaS×異業種でまちづくりが変わる

 オフィスビルなどの空きスペースとフードトラックのマッチングを手掛けるMellow(メロウ、東京・渋谷)。新型コロナウイルス禍に際して、タワーマンションにフードトラックを展開するマンション向けパッケージの提供を開始し、フードトラックのサブスクリプションプランや開業支援サービスなど、矢継ぎ早に新たな取り組みをスタートした。


MaaSに挑む新勢力

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MaaSのふ化装置になる? MONETプラットフォーム公開

 ソフトバンクとトヨタ自動車が設立したモネ・テクノロジーズ(東京・港)は2020年4月、企業や自治体がモビリティサービスを提供する際の基盤となる「MONETプラットフォーム」の本格運用を開始した。データやシステムのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を売買する「MONETマーケットプレイス」を20年夏をめどにオープン。新型コロナウイルスの影響で移動の形が見直される中、どんな意味を持つのか。


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「Pontaモビリティ」始動 データ分析でコロナ3密対策も?

 共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティマーケティング(東京・渋谷)が、北陸を舞台に実証実験を始める。スマートドライブ(東京・千代田)のセンサーデバイスをクルマに装着し、移動データを収集。それをPontaの購買データと掛け合わせることで、消費行動をより深く読み解く試みだ。Withコロナ、Afterコロナ時代を生き抜くヒントがつかめるかもしれない。


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「東京メトロMaaS」始動へ あえて一駅前で降りて健康増進

 2020年3月、東京メトロがMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の取り組みを発表した。東京は世界に類を見ないほど複雑な交通網が発達した大都市だ。東京メトロは、そんな都市でどのようなMaaSを展開するのか。業界初が目白押しの取り組みの中身は?


専門家が読み解くMaaSの未来

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MaaSはコロナ禍の交通事業者を救えるか 専門家が直言

 コロナ禍によって大きな変化を迫られている日本の交通サービス。その中で、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)はどんな役割を果たすのか。MaaSの日本での普及促進を目指す一般社団法人「JCoMaaS(ジェイコマース)」の代表理事で、横浜国立大学で25年以上、都市と交通について研究を行ってきた中村文彦教授に話を聞いた。


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率先避難を支援するアプリ開発 防災×MaaSの最先端

 さまざまな交通手段を統合して次世代の移動サービスを生み出す「MaaS」実現の先にある未来を、さまざまな産業の専門家と探る本連載。今回のテーマは医療・防災。長年にわたって災害時の救護活動に取り組んできた熊本赤十字病院と、車両提供を通じてその活動をサポートしているトヨタ自動車九州に、災害救護におけるモビリティの役割や現在の取り組みについて聞いた。


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MaaS×飲食 アフターコロナは「移動に値する体験」が必須に

 飲食業界で果敢に新しいビジネスモデルにチャレンジする3人の経営者と、「モビリティ×飲食」の未来について考えるリモート座談会の後編。アフターコロナに向けた飲食ビジネスの在り方、飲食とモビリティがつくり出す新ビジネスの可能性とは?

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