コロナ禍でコミュニケーションのオンライン化が加速しました。テレワークが一般化し、オンライン学習も広がりつつあります。オフラインベースからオンラインベースの生活への転換が、今後さらに進むと考えられ、新しい生活やビジネスの基盤となる仕組みづくりは、大きな市場となっています。日経クロストレンドの記者が解説します。
コロナ禍でコミュニケーションのオンライン化が加速しました。テレワークが一般化し、オンライン学習も広がりつつあります。オフラインベースからオンラインベースの生活への転換が、今後さらに進むと考えられ、新しい生活やビジネスの基盤となる仕組みづくりは、大きな市場となっています。
中でも注目したいのが、物理的に離れてしまった距離を超えて人と人をつなげるデバイスやサービスです。
例えば、スタートアップ企業のtonari(東京・渋谷)が開発を進める「tonari」。天井から床まである大画面のスクリーンに映し出された等身大の相手とコミュニケーションできるシステムです。スクリーン越しではありますが、自分と同じ場所にいるかのように感じられ、まさに、隣にいる感覚です。コミュニケーションを取るときだけオンラインにする「Zoom」などのツールとは異なり、常につながっている状態は新体験。企業の社内コミュニケーションだけでなく、教育や医療の現場などでも、活躍が期待されます。
コロナ禍で外出や飲み会がしづらくなり、異性との出会いが減少しているという声も聞かれます。
そんな中、独身男女の仲を取り持つ、AIを使った恋愛ナビゲーションサービス「Aill(エール)」もじわりと広がっています。既存のマッチングアプリとは異なり、AillはAIがチャットを使った会話をアシストし、デートにつなげるなど恋愛の進展を手助け。大手会員制福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」を運営するベネフィット・ワンと業務提携し、すでに導入企業はNTTグループやみずほ銀行など、昨年12月初旬時点で490社を超えています。オンラインコミュニケーションをAIがサポートする動きは、さまざまな分野でも広がりそうです。
その他、リアルなコミュニケーションを重視してきた営業現場や小売店舗もオンライン対応が進んでいます。演劇や音楽ライブといったエンタメ分野も、劇的に変貌を遂げつつあります。日経クロストレンドでは、さまざまな現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)に迫っています。ぜひ、ご覧ください。

IoT鏡、等身大“空間共有”システム…新デバイスがつくる巨大市場


謎のフルリモート演劇集団「ノーミーツ」とは? 1万人超が熱狂
「オンラインツール」が進化

米エバーノートの共同創業者で元CEO(最高経営責任者)のフィル・リービン氏が手掛ける新しいビデオコミュニケーション用アプリ「mmhmm(ンーフー)」のMac版が正式にリリースされた。著名な米ベンチャーキャピタル(VC)のセコイア・キャピタルが出資を即断したり、米アップルの新型Macのオンライン発表会にも登場したりして注目されている。今回から2回にわたり、ビデオ会議の将来像を探る。

Zoomに代表されるビデオ会議サービスはビジネスパーソンのミーティングやオンライン授業などさまざまな分野に浸透した。こうしたなか、ビデオ会議サービスを産業のBtoB分野やビジネスパーソンの日々の活動の支援など、新領域で活用する動きが出てきている。コロナ後のニューノーマル時代を占ううえで押さえておく必要がありそうだ。

オンライン営業ツールの本命か 電話営業可視化の「MiiTel」参入
AI(人工知能)を活用した音声解析機能を持つIP電話「MiiTel(ミーテル)」を展開するRevComm(レブコム、東京・渋谷)が、オンライン商談ツールに参入する。ツール名は「MiiTel Live」。既存顧客向けにベータ版として提供しており、2021年1月に正式版の提供を始める。IP電話とシームレスな連携やAI解析機能で、「Zoom」の弱点を補った営業特化型ツールを提供する。
リアル店舗のDXが加速

老舗の登山・アウトドア用品専門店、好日山荘(神戸市)。2020年11月に、物販のみならず、体験商品まで取り扱う新機軸のECモール「GsMALL」を立ち上げた。小売店舗のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が叫ばれる中、「重要なのはアナログ」と語る真意は。社長の池田真吾氏に聞いた。

サブスクやECにまで広がるOMO型カフェ 店舗型DXの理想を実現
アフターデジタル時代の新事業を生み出すうえで重要なキーワードがOMO(Online Merges with Offline=オンラインとオフラインの融合)。カンカク(東京・港)はオンラインで店舗が顧客とつながるOMOの手法でカフェを再定義した。アプリの多彩なサービスによる店舗DXが業界の注目を集めている。

ネクストTikTokの成長株が上陸間近 “DX薬局”にも注目
withコロナで生活やビジネスは大きく変わりつつある。その新潮流を探るため、ベンチャーキャピタル(VC)を訪ねる連載。第4回は、コンシューマー向けサービスに強い朝日メディアラボベンチャーズの投資担当ディレクター、山田正美氏に聞いた。“ポストTikTok”に加え、女性の課題解決に特化したサービスにも注目だ。
識者が語るコロナ禍のビジネスとコミュニケーション

徳力氏「21年はリアルの再定義」 デジタル化が加速する今だから
新型コロナウイルスの感染拡大が各界に大きな影響を及ぼした2020年。今回はアジャイルメディア・ネットワーク アンバサダー/ブロガーの徳力基彦氏に、混乱の中でデジタルコミュニケーションの重要性を直視せざるを得なかった20年の総括と、21年に取るべきデジタル施策の展望について聞いた。

富永氏が考えるコロナの影響「変わってないことがはるかに多い」
プリファード・ネットワークス執行役員CMO(最高マーケティング責任者)の富永朋信氏に、2020年の総括および21年の展望を話してもらった。コロナ禍で進化したと叫ばれるネットを介したコミュニケーションだが、富永氏は「手放しで賛成と言えない」と考える。その理由とは。

鹿毛氏が激白 コロナ禍で「愛が欠落し、文化が消費されている」
日経クロストレンドのアドバイザリーボードに2020年の総括と21年の展望を聞いた。今回は20年6月にエステーを退職し、「かげこうじ事務所」を設立した鹿毛康司氏。コロナ禍でテクノロジーの活用に迫られ効率化が進んだ半面、マーケティングにとって重要な“愛”の欠落を痛感しているという。