新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2020年は消費動向が大きく変わりました。そうしたwithコロナの停滞感を打ち破ろうと、新たな事業に足を踏み出すスタートアップ企業も増えています。これからの時代、どのような事業が有望になるのでしょうか。スタートアップ企業のトレンドを日経クロストレンド記者が解説します。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2020年は消費動向が大きく変わりました。そうしたwithコロナの停滞感を打ち破ろうと、新たな事業に足を踏み出すスタートアップ企業も増えています。これからの時代、どのような事業が有望になるのでしょうか。スタートアップ企業のトレンドを日経クロストレンド記者が解説します。
スタートアップ企業のデータベース「STARTUP DB」を提供するフォースタートアップス(東京・港)が発表した20年上半期の投資動向レポートによれば、新型コロナウイルス感染症拡大以降、月次の資金調達金額の合計が前年同月比を上回ったのは20年6月だけでした。資金調達を実施した企業数も175社減少し、745社となりました。一方で、1社当たりの平均資金調達金額は4億5000万円で、前年より1億1000万円増加しました。投資会社が慎重になっている中、より有望な企業に投資が集まりやすくなっているのかもしれません。
日経クロストレンドは、有望なベンチャー企業を記者の独自視点で選出した「未来の市場をつくる100社 2021年版」を公開しました。20年も年末に差し掛かる中、再び新型コロナの感染者数は増加傾向にあります。21年もwithコロナの生活が続きそうです。特集ではコロナ禍の停滞感を打ち破り、新たなビジネスを生み出そうとしている企業を、「マーケDX(デジタルトランスフォーメーション)」「働き方・教育」「健康・衣料」「生活・金融」「エンターテインメント」「フードテック」「モビリティ―」「SDGs・ESG」という8つの注目ジャンルから選びました。
マーケDXでは注文から30分以内に商品が届くデジタルストア「QuickGet」を展開するクイックゲット(東京・港)や、高付加価値な自動販売機を展開するスキマ デパート(東京・千代田)を取り上げました。そのほか開発不要でオンラインスーパーのDXを支援する10X(東京・中央)、デジタル接客支援サービス「STAFF START」を展開するバニッシュ・スタンダード(東京・港)など、来店客減少で苦戦する小売り業のDXを支援する企業などを選出しています。
20年はオンライン診療の暫定的な解禁など、ヘルスケアサービスにとどまらず医療のDXも進んだ1年でした。健康・医療からはタブレットを活用した問診サービス「AI問診ユビー」を展開するUbie(東京・中央)、オンライン薬局に特化したサービスを展開するミナカラ(東京・千代田)などを紹介しています。
特集では選出した企業をより深掘りして紹介しています。ご一読いただき、新たなビジネスの胎動を感じてみてはいかがでしょうか。

コロナ下のニッポンを救う 「未来の市場をつくる100社」一挙公開

ローソンやファミマで働く遠隔ロボ 距離を超え、から揚げ調理も

水道いらずのシャワーや手洗いスタンド WOTAが狙う水資源の革命
「マーケDX」分野の有望企業

革新を起こす企業を選出する「未来の市場をつくる100社」特集。第5回は、“デジタルコンビニ”とうたう、デリバリーサービス「QuickGet」を展開するクイックゲット(東京・港)を紹介する。アプリと購買データを駆使したDX(デジタルトランスフォーメーション)運営を武器に、リアル店舗とECに続く、第3の選択肢として躍進する可能性を秘める。

自販機をアップデートするベンチャー 何でも扱う“屋外デパート”に
特集「未来の市場をつくる100社」の5社目は、非対面販売、かつ24時間いつでも利用できる自動販売機の可能性に着目し、飲料以外の高単価、高付加価値商品の販売を仕掛ける、スキマ デパート(東京・千代田)を取り上げる。コロナ禍で販売チャネルとしての価値が見直されつつある自販機は、どう進化していくのか。

新型コロナショックで臨時休業や営業時間短縮を余儀なくされ、リアル店舗の減収が大きな痛手となっているアパレル業界。この非常事態を乗り切る一手として、今熱い視線を浴びているのが、バニッシュ・スタンダードのアプリサービス「STAFF START(スタッフスタート)」だ。コロナ禍の中でもEC売り上げを伸ばすアパレル企業の秘密とは?
「フードテック」分野の有望企業

原価50%、完全非接触のITハンバーガー店 外食の次世代つくる
特集「未来の市場をつくる100社」の2社目は、斬新な1人焼き肉チェーン「焼肉ライク」などを成功させたダイニングイノベーショングループが放つ、新発想のハンバーガーショップ「ブルースターバーガー」。ITを活用した完全非接触のテークアウト専門業態で、with&アフターコロナ時代の外食スタンダードを狙う。

ついに日本の“イノベー食”が世界に本格展開する。現代人に必要な1食分の栄養素を練り込んだ麺を引っさげ、ベースフードが2019年9月に米国でのビジネスを本格化させる。シリコンバレーの「ラーメン凪」で提供を始めるほか、カリフォルニアを中心とした西海岸でネット販売に乗り出す。

完全植物肉の米インポッシブル 「ミートラバー」を虜にする秘密
多くのスタートアップ、大企業が参入する植物性代替肉市場で、注目ブランドの1つが米インポッシブルフーズだ。完全植物性の「代替肉」ではなく、あくまで「本物の肉」に近づけることを目指し、新しい「肉の市場」を開拓している同社の製品戦略、市場展開を創業メンバーに聞いた(聞き手はシグマクシス岡田亜希子)。
「生活・金融」分野の有望企業

ヤフーも導入 スマホ身分証で「eKYCの大塚商会」狙う企業の野望
なりすましや不正を防ぐため、オンライン上で本人確認をするeKYC(electronic Know Your Customer)が、スマホ普及を背景にさまざまなサービスで広がっている。TRUSTDOCK(トラストドック、東京・千代田)は、アナログの手続きも扱う「KYCの商社」として、アジアを中心とする世界市場も視野に入れる。

「スマートロックが登場して約4年たつ。価格破壊を起こして普及を図りたい」――。2018年8月に営業開始したスタートアップ企業ビットキー(東京・中央)が、スマートロック市場の“ゲームチェンジャー”として存在感を高めている。スマートロックとは、玄関扉などに取り付けて、スマートフォンなどを鍵代わりにして解除・施錠できる製品だ。

月4万円で多拠点住み放題に1100人超が応募 空き家問題に挑む
「全国好きな場所を移動しながら仕事、生活したい」、そんなライフスタイルをかなえるサブスクリプションサービスが登場する。2019年4月に始まる「ADDress」は、地方の空き家や遊休別荘を募って改装した物件に月額4万円で住み放題になる。“多拠点コリビング”と名付けられた事業の要は何だろうか。