長引くコロナ禍の結果、多くのビジネスパーソンにとって在宅勤務が当たり前になってきました。また、アフター5や休日に足を運んでいたコンサートやスポーツ観戦なども、これまでと同じやり方では開催されず、オンラインでの開催や会場での人数制限など、「3密」を避けるための試行錯誤が続いています。日経クロストレンドの記者が解説します。

(写真/Shutterstock)
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 長引くコロナ禍の結果、多くのビジネスパーソンにとって在宅勤務が当たり前になってきました。また、アフター5や休日に足を運んでいたコンサートやスポーツ観戦なども、これまでと同じやり方では開催されず、オンラインでの開催や会場での人数制限など、「3密」を避けるための試行錯誤が続いています。

 一方で、こうした変化がもたらす負の影響も明らかになってきました。例えば、テレワークを活用した在宅勤務が恒常化すると「深刻なコミュニケーション不足の問題が出てくる」という意見。「社員の様子が分かりにくい」「雑談ができなくなった」「孤独を感じる」といった声は多くの職場から聞こえてきます。オンラインによるコンサートなどについても、「リアルな会場で楽しむのに比べて、著しく臨場感に欠ける」との声が圧倒的です。こうした負の影響を解消し、オンラインの新常態をより快適にする有効な手立てとして今、注目を浴びているのが、「VR(仮想現実)/AR(拡張現実)」です。

 例えば、VRヘッドセットを活用し、社員の顔写真を合成したリアルな3Dアバターが、ネット上に構築されたVR空間を動き回る「VRオフィス」。単にオンラインで参加するのではなく、ネット上に構築されたVR空間内に参加し、より熱狂度を増した形で楽しめる「VRライブ」。実際の店で商品に触って購入するような体験ができる「ARネット通販」……。VR/ARを活用することで斬新なユーザー体験を実現し、利用を促そうというわけです。

 2021年はより安価で高性能なヘッドセットが市場に投入される見込みもあり、VR/ARが本格的に普及する可能性は高いかもしれません。VR/ARの最前線で何が起きているか、改めて知っておくのはいかがでしょうか。

Zoomの次は「仮想オフィス」が普及か アバターで出社・雑談


きゃりーぱみゅぱみゅもライブ 40万人集めた渋谷VRハロウィーン


ネット通販はARグラスでどう変わる? 自宅がブランド店に変身


VRの最前線

PS5に新Xbox、そしてVR…ゲームトレンドの未来を議論する【TGS2020】

 東京ゲームショウ2020オンライン(TGS2020 ONLINE)の主催者番組「2021年に向けたゲーム業界最新トレンド」が2020年9月25日に配信された。これから発売される新型ゲーム機と新たなゲーム体験をもたらすVR(仮想現実)機器を軸に、ゲーム分野の最新技術を紹介。そこから見えてきたのは、未来のゲームトレンドだった。


第3の観戦スタイル DeNAのバーチャルハマスタに観客3万人

 横浜DeNAベイスターズ(横浜市中区)は2020年8月11日の阪神戦でVR(仮想現実)球場のオンライン観戦を実施した。「バーチャルハマスタ」はCGで再現した横浜スタジアムにアバターを使って入場し、グラウンドの巨大スクリーンで試合を観戦するもので、当日は約3万人が参加したという。


VRで注目、新技術「NeRF」の衝撃 様々な視点の画像を美しく合成

 複数の視点の画像から、新たな視点の画像を合成して作り出す「Novel View Synthesis」というタスクがある。VRやスポーツの自由視点映像などには不可欠な技術だ。この領域で驚異的な性能を発揮したのが「NeRF」(ナーフ)。果たしてどんなアルゴリズムで、美しい合成画像を作り出せるのか。世界中の研究者や技術者に衝撃を与えたその技術を、論文からひもといていく。


ARの最前線

ポストスマホ時代始まる 来年「ARグラス」導入が加速するワケ

 一見すると普通のサングラス、しかしかけてみると様々な情報が表示される――。そんな未来的な生活を可能にするメガネ型ディスプレーが、2021年には手ごろな価格で登場する。アミューズメント施設や観光地など、様々な場所で導入が加速するだろう。新たな体験が根付くことから、日経トレンディと日経クロストレンドが発表した「2021年ヒット予測ランキング」の15位に「ARグラス」が選ばれた。


ドローンサッカーにAR波動拳 新分野「dスポーツ」成長の予感

 日本政策投資銀行(DBJ)産業調査部が、アフターコロナ時代のデジタルトランスフォーメーション(DX)を読み解く人気連載。今回は、スポーツ領域のDXともいえる、新たなビジネス事例について解説する。


お客と販売員をつなぐ「パルコの文化」 ARと5Gでデジタルへ拡張

 パルコの店舗DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する林直孝氏と、書籍『アフターデジタル』の共同著者であるIT評論家の尾原和啓氏による対談の後半。渋谷パルコのキーワードの1つである「テクノロジー」はAR(拡張現実)や5Gと新技術を取り込みながら進化するというビジョンも見えてきた。


米国・中国の実情

FBが狙うVR/AR覇権(1)異例の低価格戦略、赤字覚悟の再起動

 米フェイスブック(FB)が米オキュラスVR(Oculus VR)を2014年に20億ドル(約2100億円)で買収して6年。VR(仮想現実)で再び攻勢をかける。ハードウエアの着実な進化に加えてサービスを充実させて再起動した。


バイドゥ 複数企業と共同で商店街向けAR地図サービスを展開

 中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)のAR(拡張現実)技術オープンプラットフォーム「DuMix AR」は2020年9月15日、パートナー企業と共同で、デジタルと現実が合わさったAR地図サービス「Map++パートナー計画」を開始した。バイドゥはパートナー企業に技術を提供することで、室内外の商店街向けの高精度な3D地図サービスの開発をサポートする。


アップルもVRに積極投資、一変する芸術や音楽イベント

 ニューノーマル(新常態)でデジタルコンテンツはどのように変わり、人はどう対話していくようになるのか。AR/VR/MRのいわゆる「xR」の普及で、あらゆるものがデジタル化されいく。GAFAなどテクノロジー大手が積極投資し、5Gなどの新たなテクノロジーによってヘッドセットの軽量化も急速に進んでいる。