日本企業にとってブランドづくりの重要性がますます高まっています。単なる品質や価格といったメリットだけでは、低コストで製造している海外製品に負けてしまうからです。他社の製品と差異化するにはどうすべきでしょうか。それが「強いブランドをつくる」ことにあります。日経クロストレンドの記者が解説します。

(写真/Shutterstock)
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 日本企業にとってブランドづくりの重要性がますます高まっています。単なる品質や価格といったメリットだけでは、低コストで製造している海外製品に負けてしまうからです。他社の製品と差異化するにはどうすべきでしょうか。それが「強いブランドをつくる」ことにあります。

 ただしブランドづくりは、そう簡単ではありません。テレビでCMをたくさん流せばブランドが浸透するわけではありません。消費者に認知され、さらに信頼されることがブランドづくりの鉄則です。これには時間がかかりますが、続けることが重要です。製品はもちろん、企業の姿勢までもがブランドです。消費者をだますような態度を取れば、すぐに信頼を失ってしまいます。

 いったんブランドを築いたとしても、常に順風満帆というわけにはいきません。強力な競合商品の登場や顧客のし好の変化など、新たな課題に直面したときに、どう対応するかが問われます。そうなるとこれまでブランドの見直し、新たなブランドづくりなど、企業の決断が求められます。企業の存続にもつながるため、経営トップが積極的に関わる必要があるのです。

リブランディング 成功の秘訣


現実的に考える新ブランディング論


ロングセラー復活の軌跡


勝つための戦略とは

ランキングから探るブランド成功の鍵

 今、サントリーや無印良品などSDGs(持続可能な開発目標)に積極的なブランドへの評価が高まっている。日本最大のブランド価値評価調査「ブランド・ジャパン」の結果から明らかになった。ソーシャルイノベーションや生活者との共創など求められる要素は時代に合わせて変化している。今後のブランド構築を成功に導く鍵は何か。20年間のデータと最新の調査結果を基に、先進企業のブランド戦略を分析する。


Z世代──10年後の中核層を攻略せよ

 「Z世代」と呼ばれる世代は、デジタルネイティブといわれたミレニアル世代のさらに先を行く、生まれながらの「デジタルトランスフォーメーション(DX)世代」といえる。その価値観や消費行動はつかみがたい。だが、10年後にはマーケットの中心となる世代であり、その攻略法を早く見極めたい。調査データや先進企業の取り組みから、彼ら・彼女らの価値観や消費行動などを明らかにしていく。


インナーブランディングの時代

 ブランディングの重要性は広く認識されてきたが、実は対顧客だけでなく、対従業員のインナーブランディングが求められている。先が見えない流動的な時代だからこそ、企業の存在意義や提供価値を見直し、再定義することが不可欠だ。ミッション・ビジョンが明確な組織こそ社内外のリソースを集め、最大の力を発揮する。インナーブランディングに力を入れる企業の事例とともに、そのメソッドを聞く。


具体的な方策を探る

売れるネーミング&キャッチフレーズ

 ブランドや商品を強くするには、商品そのものの魅力に加えて、優れたネーミングやキャッチフレーズが必要だ。商品が持つ魅力や世界観を効果的に打ち出すことができれば、消費者の心に強く刺さる。それを実現するのがデザインの力だ。ネーミングデザインでブランド力を向上させ、売り上げ増を実現する──そんな手法を事例を基に考える。


共感する色、売れる色

 「色」はブランディングにおいてもマーケティングにおいても最も重要な要素の1つだ。そして時代によって、色に対する生活者の感覚も変わっていく。「今」という時代性を色で捉え、色で個性を表現し、色で顧客の共感を得る。そんなカラーデザインで成功した商品の事例を紹介する。


身の丈イノベーションのススメ

 イノベーションには「開発には多額の投資が必要」といったイメージを抱きがちだが、潤沢な経営資源・体力を持たない中堅中小企業も、知恵とアイデアを出し合い、新しい商品やサービスを次々と開発している。これが「身の丈イノベーション」だ。ちょっとした工夫、ユニークな発想で成果を上げている身の丈イノベーションを実現するための重要なポイントを、事例で解説する。


新市場開拓に挑む

ランドセルのセイバンがビジネスバッグ参入 武器はサコッシュ?

 「天使のはね」で知られるランドセルメーカーのセイバン(兵庫県たつの市)は、市場の縮小に伴う事業多角化の1つとして、ビジネスバッグ市場に参入。ランドセルでノウハウの蓄積がある革バッグではなく、あえてナイロンバッグ市場に挑んだ理由は。


創業130年目の挑戦 日本盛が日本酒業界初のメークブランド

 清酒メーカーの日本盛(兵庫県西宮市)は2020年11月2日、50代以上の女性に向けたメークブランド「Que serasera(ケセラセラ)」の商品販売を開始した。同社では1987年から基礎化粧品のブランドを展開しているが、メークブランドを加えることで3本目の事業の柱にしたい考えだ。


コーセー雪肌精、20代獲得へ 誕生35周年のリブランディング

 コーセーは主力ブランド「雪肌精」の誕生35周年を機に、2020年9月16日、雪肌精ブランドの中核となる新シリーズ「雪肌精 クリアウェルネス」を発売する。購買層の年齢上昇というロングセラーブランドゆえの課題を解決し、若い世代の共感を獲得するため、サステナビリティーを強く意識した。

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