ファンを大切にし、そのファンをベースにして中長期的に売り上げや事業価値を高めていく「ファンベース」。佐藤尚之(さとなお)氏が提唱する概念で、ご存じの読者も多いでしょう。日経クロストレンドの記者が解説します。

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 ファンを大切にし、そのファンをベースにして中長期的に売り上げや事業価値を高めていく「ファンベース」。佐藤尚之(さとなお)氏が提唱する概念で、ご存じの読者も多いでしょう。

 ですが、頭では理解したつもりでも、「実際どうやってファンベースを実践すれば良いのか分からない」というのが本音ではないでしょうか。また、顧客を囲い込む、無理に増やすといった発想に陥りがちな「ファンマーケティング」や「コミュニティービジネス」と混同しているケースも多くあります。

 そこで今回は、ファンベースに試行錯誤しながら取り組んでいる実践企業の事例を紹介します。ネスレ日本から格安スマホのmineo(運営はオプテージ)、月額4万円で全国住み放題の多拠点生活サービス「ADDress(アドレス)」まで、大企業の新規事業やベンチャーなど、置かれた事業環境にかかわらず、ファンと真摯に向き合うことの大切さ、そのポイントが分かるはずです。

 コロナ禍に加え、人口急減や超高齢化、超成熟市場といった消費環境の一大変化に直面している今は、「先が見えない時代」といっても過言ではありません。あなたの会社や事業の逆境を支えてくれるのは、まだ見ぬ新規顧客ではなく、サービスや商品を熱烈に愛してくれている「ファン」の存在です。この週末は自社のファンとは誰か、共に成長していくためにどうすべきなのか、改めて考えてみてはどうでしょうか。

 日経クロストレンドでは、新刊『ファンベースなひとたち』を刊行しました。こちらには読売巨人軍やカゴメ、イケウチオーガニックなどの事例に加え、さとなお氏による「ファンベース集中講義」も収録されています。漫画と対談で気軽に読める書籍ですので、今回の厳選記事と併せてお読みいただければと思います。

『ファンベースなひとたち』
佐藤尚之、津田匡保 著/おぐら なおみ 漫画
日経BP 1870円
■Amazonで購入する
■日経BP SHOPで購入する

ファンに寄り添う「トヨタイムズ」の価値訴求 徳力基彦×津田匡保


大ヒット『鬼滅の刃』に見るファンベース思考 徳力×津田対談後編


「ファンであることに自信を」 セガ公式Twitterのつながる力


漫画で分かる!ファンベース実践例

[漫画編]ネスカフェ アンバサダー ファンを起点に急成⻑のワケ

 ネスレ日本が展開するオフィス向け定期宅配サービス「ネスカフェ アンバサダー」。今やサブスクリプションサービスの代名詞として知られるこのサービスも、ファンベースの取り組みがあってこそ急速な成長を果たせた。どんな考えで何を実践したのか。実践ストーリーを漫画で分かりやすく解説する。


[漫画編]安さだけじゃない! mineoファンが共感した社会的価値とは?

 格安スマホの「mineo(マイネオ)」は、料金の安さだけではない独自の価値で勝負するため、ファンベースの実践に力を注いできたブランドだ。どのようにファンを巻き込み、共に成長してきたのか。実践ストーリーを漫画で分かりやすく解説する。


[漫画編]多拠点生活サービスのADDress ファンを増やした「情緒価値」

 月額4万円で全国住み放題――。コロナ禍のリモートワーク需要にマッチした暮らし方を提案するADDress。新しい発想のサービスを展開するベンチャー企業は、ファンベースをどう生かすべきか。実践ストーリーを漫画で分かりやすく解説する。


ファンを可視化、活性化する方法とは?

ファンの感情を可視化する新指標 「ファンベース診断」提供開始

 ファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売り上げや事業価値を高めていく「ファンベース」。この概念を提唱した佐藤尚之(さとなお)氏が会長を務めるファンベースカンパニー(東京・港)が、「ファンの感情を可視化」する新機軸の診断ツールを開発、2020年9月16日より提供を始めた。その中身とは?


カゴメ 動画のライブ配信を本格活用してファンベースを活性化

 カゴメは、自社商品のコアファンからの支持や声を重視するファンベースマーケティングを、特設サイト「&KAGOME(アンドカゴメ)」を軸に2015年から開始。19年には動画のライブ配信を本格的に活用してコアファンへの訴求を高めた。20年からはコミュニケーションアプリ「LINE」を用いて、コアファンへの“移行”にも力を入れる。


Jリーグ川崎ファンが競技場の北西に多い謎 ビッグデータで分析

 「観戦数が3回を超えるとファンとして定着する」「川崎フロンターレ会員は競技場の北西部に多い」。Jリーグがビッグデータ分析を駆使してデジタルマーケティングの高度化を進めている。2014年に始まったデジタル活用の今とこれからをJリーグデジタル社長の出井宏明氏が明かした。