恒例の「2020年ヒット商品ベスト30」が発表されました。「新語・流行語大賞」「今年の漢字」ももうすぐです。コロナ一色の1年だっただけにポジティブな流行語は貴重な候補としてノミネートされるでしょう。ビジネスキーワードでは「DX」(デジタルトランスフォーメーション)が有力候補になりそうです。20年上半期(1~6月)、日経電子版でDXを含む記事件数は前年同期比ほぼ2倍に増えていました。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

 恒例の「2020年ヒット商品ベスト30」が発表されました。「新語・流行語大賞」「今年の漢字」ももうすぐです。コロナ一色の1年だっただけにポジティブな流行語は貴重な候補としてノミネートされるでしょう。ビジネスキーワードでは「DX」(デジタルトランスフォーメーション)が有力候補になりそうです。20年上半期(1~6月)、日経電子版でDXを含む記事件数は前年同期比ほぼ2倍に増えていました。

 そんな注目ワードのDXですが、マーケターが自分ゴトと認識して取り組んでいるかというと、必ずしもそうではないように思います。実際、DXを学んでおこうと記事や関連書籍を読むと、「デジタル化を推進した」「システムを導入して効率化した」といった企業の取り組み記事が目立ちます。この内容だと主担当部署はIT・システム部門になるため、マーケターが自分の仕事と実感しづらいのも致し方ないところがあります。

 デジタル化の推進、システムの導入による効率化は、必要なステップではありますが、DXそのものではなく、DXを実現するためのファーストステップ。いわば「DX1.0」です。デジタル化を進めたことで得られる顧客データを解析して変化の芽を捉え、いち早く新たなサービスを提供する。そのために組織体制から、時には企業文化を変えることも厭わない。そんな取り組みが“本物”のDX、「DX2.0」段階と言えるでしょう。

 例えばタニタは、体重を正確に量れる体重計メーカーのポジションに安住せず、体重計を買い求める顧客が「痩せたい」「健康になりたい」という目的を持っていることに注目して、減量というコトビジネスに転じます。痩せるメカニズムを追究する過程で体脂肪や筋肉量、骨密度などを研究し、それらを測定できる体脂肪計、体組成計の開発、商品化に至りました。

 そこから、歩数計や血圧計なども含めて測定値を記録する健康管理サービス「からだカルテ」や、「タニタ健康プログラム」の提供など、タニタは健康データ産業へと歩を進めています。ゲーム好きの人には「ポケモンGO」のような位置ゲームを提供することで目標歩数をクリアさせやすくする、といった継続する仕組みをユーザー目線に立って構築しています。

 顧客が本当に求めているもの(インサイト)を把握し、継続する仕組みを考えるのはマーケターが得意とするところです。マーケターが自分ゴトとしてDXに取り組む場面がこれから本格化するでしょう。

 10月19日に書籍『マーケティング視点のDX』(日経BP)が発売になりました。著者は、かつて日本コカ・コーラで「コカ・コーラパーク」を開設して日本を代表する企業オウンドメディアに育て上げたことで知られる江端浩人さん。ぜひこの週末、マーケターに読んでいただきたい1冊です。

『マーケティング視点のDX』
江端 浩人著 日経BP 1760円
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「DX」は2020年流行語大賞の有力候補? 資生堂も本気宣言


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マーケティング視点のDX(=DX2.0)を進めよう


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マーケティング視点でDXを考える、新しい「4P」フレームワーク


DX2.0に取り組んだ企業事例

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フィルム市場喪失をDXで乗り越え成長した富士フイルム

 マーケティング視点でDXを推進した代表的な企業事例として、富士フイルムの取り組みが挙げられる。デジタルカメラの台頭でフィルム市場の急速な縮小が見込まれる中、フィルム事業で培った技術の活用、応用とマーケットが求めるものを照らし合わせて事業を再構築。事業構造を大きく変えて成長を続けている。書籍『マーケティング視点のDX』の企業事例編からお届けする。


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聴診器に200年ぶりの革新、デジタル聴診デバイスを開発

 2019年12月、診療の現場で医師が患者の体に直接当てて心音などを聴く、あの「聴診器」に200年ぶりのイノベーションがもたらされた。既存の聴診器をデジタル化し、録音、ワイヤレス化、音量調整が可能な後付け型のデジタル聴診デバイス「ネクステート」がそれだ書籍『マーケティング視点のDX』の企業事例編からお届けする。


マーケティング視点のDX(DX2.0)が分かるまとめ記事(画像)

タニタはなぜ革新が得意? 原点は「19年前の失敗サービス」

 持続的イノベーション事例の2社目は、タニタに焦点を当てる。同社は体脂肪計・体組成計メーカーから、「タニタ食堂」などの外食事業、そして2018年9月に発表した健康プラットフォーム構想など、健康の測定から健康づくりへと事業を拡大中。タニタ流イノベーションの原点は19年前に閉鎖した施設にあった。


DX2.0を理解するための重要キーワード

マーケティング視点のDX(DX2.0)が分かるまとめ記事(画像)

パワポまとめ「心に刺さるサブスクの通信簿」

 「サブスク元年」となった2019年は、雨後の竹の子のごとく様々なサブスクリプション型サービスが登場し、世の中を騒がせた。ただ消費者の“財布”は有限であり、何でも契約できるわけではない。2020年は、本当に契約する価値があるかどうか各サービスに対して厳しいジャッジが下される1年になりそうだ。では、消費者の心に刺さり使い続けてもらえる条件とは一体何なのか。サブスク激戦時代をサバイバルする可能性が高いサービスを取り上げ、それぞれが選ばれる理由を“採点”する。(記事の末尾からパワーポイントファイルのダウンロードが可能です)


マーケティング視点のDX(DX2.0)が分かるまとめ記事(画像)

支援事業も相次ぎ登場 「D2C」まとめ記事

 月額4万9800円で、パーソナライズD2Cブランドの仕組みを提供する。そんなサービスが始まりました。提供するのはEC支援のSUPER STUDIO(東京・目黒)です。D2Cとは「ダイレクト・トゥ・コンシューマー」の略で、流通を介さずに直接消費者に販売するビジネスモデル。消費者のライフスタイルや嗜好の多様化によって、より自分好みの商品を選びたいというニーズが高まっています。そこにデジタルを活用した、次世代のオーダーメードともいえるパーソナライズという概念が登場しました。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。


マーケティング視点のDX(DX2.0)が分かるまとめ記事(画像)

パワポまとめ「トレンドマップ調査2020」

 日経クロストレンドは、技術、マーケティング、消費3分野の最新潮流を把握すべく、「将来性」と「経済インパクト」の2軸でマッピングした「トレンドマップ2020夏」を作成した。新型コロナウイルスの感染拡大という緊急事態に直面した2020年前半に、急浮上した最新キーワードとは? 技術、マーケティング、消費3分野の最新潮流を読み解く。(記事の末尾からパワーポイントファイルのダウンロードが可能です)