新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、DX(デジタルトランスフォーメーション)があらゆる業界で喫緊の課題となりました。街づくりも例外ではありません。交通、商業、オフィス、医療、エネルギー、行政など、あらゆる都市機能をDX化する「スマートシティ」構想が一気に動き出しました。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、DX(デジタルトランスフォーメーション)があらゆる業界で喫緊の課題となりました。街づくりも例外ではありません。交通、商業、オフィス、医療、エネルギー、行政など、あらゆる都市機能をDX化する「スマートシティ」構想が一気に動き出しました。

 20年9月14日、東京・竹芝に開業した地上40階建ての「東京ポートシティ竹芝 オフィスタワー」はソフトバンクグループと通信子会社ソフトバンクの新本社となります。全館に次世代通信規格「5G」を張り巡らせ、AI(人工知能)カメラを使った顔認証で入館を管理。顔パスで認証ゲートを通ると、エレベーターが自動で開き、行き先をタッチせずとも、目的の階まで到達できる仕組みです。館内では、清掃ロボットや警備ロボットなどが動き回っています。

 注目すべきは、ビル内のあらゆるデータをリアルタイムに収集・分析する「IoTプラットフォーム」を導入したことにあります。ビル全体に1000個以上のセンサーやAIカメラを設置し、スマートフォンの位置情報と組み合わせ、来館者の人流をきめ細かく捕捉。館内の飲食店やエレベーターの混み具合、トイレ、ごみ箱の稼働状況、交通情報、天候まで「見える化」し、リアルタイムに館内のデジタルサイネージや専用アプリに表示するシステムを構築しました。ソフトバンクはこのビルで得た知見を、周辺の街に展開していく予定です。まさにスマートシティに本格参入する狼煙(のろし)を上げました。

 東京都はこの竹芝と豊洲、東京都心の大丸有(大手町・丸の内・有楽町)という3つのエリアを「スマート東京」のモデル都市に選定しました。DXを活用し、都民のQOL(生活の質)を引き上げることを目標に掲げています。政府も「スーパーシティ」という名のもとに、自動運転やキャッシュレス、遠隔医療や遠隔教育など、生活全般をスマート化した“丸ごと未来都市”を築くべく、応募した全国の自治体を対象に、これから対象区域の選定に入ります。

 トヨタ自動車は東富士工場(静岡県裾野市)の跡地を活用して21年初頭にも未来都市「ウーブン・シティ(Woven City)」の建設に乗り出します。この街づくりに参画するAIソフトウエア開発子会社、トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)は20年8月、米サンフランシスコを拠点とするスクラムベンチャーズが主導する「スマートシティX」プロジェクトに加わることを表明しました。

 まさにこれから始まる都市の大変革。その萌芽をいち早く読み解く深掘り記事をご紹介します。

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 コロナ禍を受け、ニューノーマル(新常態)時代の新たな都市づくりに向け、日本の大手企業が参集する一大プロジェクトが2020年8月に立ち上がった。その名も、「スマートシティX」。日本でも、都市を丸ごとDX(デジタルトランスフォーメーション)する動きが活発化している。その最前線を追った。


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トヨタ・NTTの強力連合 焦点はMaaSからスマートシティへ

 2020年3月24日、トヨタ自動車とNTTは互いに約2000億円を出資し、スマートシティの事業化に向けた長期的な取り組みを進めることを発表。トヨタが静岡県裾野市で21年に着工予定の「Woven City(ウーブン・シティ)」や、品川駅前のNTT街区でスマートシティプラットフォームを実装する計画だ。豊田章男社長が会見で強調したこととは?


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 ロボットと共生し、自動運転車やドローンが街を行き交う──。SFで見た未来都市を、人類はまだ形にできていない。建築家の豊田啓介氏はゲームエンジンを活用するという全く新しいアプローチで、スマートシティ、すなわち都市のDX(デジタルフォーメーション)を描こうとしている。


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 先端技術を盛り込んだ未来都市、スマートシティ。人の動きを追うセンシングや自律運転など、さまざまな分野で技術の開発が進む。さくらインターネットフェローであり、スタートアップ支援やIoTハードウエアのプロトタイピングへ投資を行う小笠原治氏に、鍵となるテクノロジーと都市の未来を聞いた。