コロナで何が変わったか……? 記者自身&身の回りで起きたことを振り返ると、まずはテレワークです。通勤しなくなって4カ月が経過。以前から会社にいなければできない作業以外は、自宅や外出先で進めていたものの、世の中全体でテレワークが進むと、だいぶ環境が変わりました。日経クロストレンドの記者が解説します。

(写真/Shutterstock)
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 コロナで何が変わったか……? 記者自身&身の回りで起きたことを振り返ると、まずはテレワークです。通勤しなくなって4カ月が経過。以前から会社にいなければできない作業以外は、自宅や外出先で進めていたものの、世の中全体でテレワークが進むと、だいぶ環境が変わりました。1時間ずつ連続で取材(@大手町)、職場(@神谷町)で打ち合わせ、聴講したいセミナー(@渋谷)があった場合、これまでは時間変更をお願いしたり、セミナーをあきらめたりしていました。これがテレワークですべて参加可能になりました。「どこでもドア」を手に入れたような、リアルとバーチャルが融合する【ミックスドリアリティー】が実現した感覚です。出張取材は、コロナ危機が去ってもZoomなどでの遠隔取材が定着するでしょう。リニア中央新幹線のトンネル工事着工を巡って紛糾が続いていますが、リニアよりリモートのほうが速いのです。

 IT企業を中心にテレワークが進み、オフィス街が閑散とすると、当てが外れてしまうのが外食産業です。個人的に2度ほどお邪魔したことのある六本木「豚組しゃぶ庵」の閉店の報には驚きました。グルメ誌「dancyu(ダンチュウ)」に「東京で十年。」という連載がありますが、一等地に店を構えて10年以上人気店であり続けることは飲食店として成功の証です。「豚組」はその代表のような店でした。

 テレワークになって外食が減った分、確実に「内食」「中食」は増えています。記者も、イートインスペースを持たない、いわゆるゴーストレストランにデリバリーを頼む機会が増えました。豚組も、コロナ禍で実施したテークアウト、デリバリーが好評だったことから、オンライン店で「おうちで豚組」を提供していく方針のようです。提供スタイルの【フレキシビリティー】は、閉店を後ろ向きではなく、前向きのものに変える力を持っています。

 一等地に店を構えることが成功の証だった外食産業が、実店舗を閉めてオンライン化する流れは、一足早くアパレルで起きていたことでもあります。路面店の出店や人気商業施設で広い売り場スペースを確保するのではなく、ECを販売の主戦場とし、実店舗はショールーム的に省スペースあるいは期間限定で出店する。今、アパレルで勢いがあるのは、そんなD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)形態です。テレワークによるオフィス需要の減退と合わせて、土地に対する価値観が大きく変わっていきそうです。

 4連休となった先週末、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」(上野・国立西洋美術館に)に行ってきました。チケットは「密」回避のため事前日時指定制。おかげで行列したり、人気絵画の前が人だかりで見えなかったりといったこともなく、快適に鑑賞することができました。仮に後から感染者が発覚した場合、オンライン購入しているため、同時間帯の入場者に連絡を取ることも可能です。このように元をたどれる(追跡できる)【トレーサビリティー】は多くの業態で求められるでしょう。

 アフターコロナで求められるビジネスは、決して今まで陰も形も存在しなかったものではなく、テレワークがそうであるように、既に一部で始動しているものが大半です。D4DR代表の藤元健太郎氏は、それらを4つのキーワードに整理、分類しました。

 1.Traceability(トレーサビリティー、追跡可能性)
 2.Flexibility(フレキシビリティー、柔軟性)
 3.Mixed Reality(ミックスドリアリティー、複合現実)
 4.Diversity(ダイバーシティー、多様性)

 日経クロストレンドの過去記事を改めて読むと、アフターコロナを先取りした取り組みが実はたくさんあります。そこで、4つのキーワード別に代表的な事例をまとめて、1冊の本にしました。それが7月29日発売の『ニューノーマル時代のビジネス革命』です。

 「ピンチの中からチャンスをつかむ」「新たなマーケットを創出する」そんな意欲あふれるマーケターに読んでいただきたい1冊です。

『ニューノーマル時代のビジネス革命』
日経クロストレンド/藤元健太郎 著 日経BP 1760円
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 丸井グループは百貨店型からショッピングセンター(SC)型へと業態転換を進めてきた。しかし、それは店舗改革の序章にすぎない。転換の完了を期に、2020年以降は「デジタル・ネイティブ・ストア」戦略を本格化する。D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)は戦略の要だ。丸井に出店するD2Cブランドは、オンラインとオフラインの併用者の顧客単価を2倍以上にするなど成果が出ている。


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 新型コロナショックで臨時休業や営業時間短縮を余儀なくされ、リアル店舗の減収が大きな痛手となっているアパレル業界。この非常事態を乗り切る一手として、今熱い視線を浴びているのが、バニッシュ・スタンダードのアプリサービス「STAFF START(スタッフスタート)」だ。コロナ禍の中でもEC売り上げを伸ばすアパレル企業の秘密とは?


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 東京・渋谷に2019年10月12日、期間限定フードコート「ツカノマノフードコート」がオープンした。解体予定の空きビルを生かし、営業期間は4カ月間という文字通り“つかの間”。ミレニアル世代が仕掛けた、新たな事業開発手法として面白くかつおいしい試みを取材した。


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 デジタル戦略のコンサルや広告のSEO対策・実施を手掛けるプリンシプル(東京・千代田)は、2011年の創業から5期連続で増収増益を達成、18年9月期も増収増益を果たし好調だ。楠山健一郎社長は、経営ツールとしてロボットを活用している。社長自らロボット活用している理由を聞いた。


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 新型コロナウイルスの影響で外出自粛要請が続く中、注目を集めているのが、ANAホールディングスのグループ会社、アバターイン(東京・中央)の遠隔操作ロボット「newme」を使った買い物だ。遠隔でロボットを操作し、あたかもその場にいるように買い物が楽しめるという。実際に“遠隔接客”を体験し、実用度を見た。


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 デジタル教材とAI(人工知能)の組み合わせにより、教育と学習が激変し始めた。これまでの集団授業から生徒別に最適化された授業への流れは止まりそうにない。当然、教員や学校の役割も変化を求められる。そして、クラウド上に記録された生徒の学習データは、企業のマーケティングに新たな可能性を開こうとしている。