緊急事態宣言が解除され、少しずつ日常が戻り始めました。とはいえ、新型コロナウイルスにはまだまだ警戒が必要な状況。さらに、一度変わった生活の形は完全に元には戻りません。読者の皆さんの中にも、緊急事態宣言発令を機に始めた在宅勤務が当面続いているという方は少なくないでしょう。日経クロストレンドの記者が解説します。

(写真/Shutterstock)
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 緊急事態宣言が解除され、少しずつ日常が戻り始めました。とはいえ、新型コロナウイルスにはまだまだ警戒が必要な状況。さらに、一度変わった生活の形は完全に元には戻りません。読者の皆さんの中にも、緊急事態宣言発令を機に始めた在宅勤務が当面続いているという方は少なくないでしょう。

 生活が急激に変化する中、さまざまなビジネスがダメージを受けました。リアルイベントもその1つ。近年、楽曲の販売からライブのチケット収入にビジネスの軸足を移していた音楽業界、劇場を拠点に活動してきた演劇業界、スタジアムへの観客動員が利益の大半を占めるスポーツ業界は、人が集まることで事業が成り立ちます。“密”を避ける新型コロナウイルス対策ではイベントの中止・延期は避けられませんでした。ぴあ総研の調査によると、2021年1月までの1年間にライブ・エンタテインメント業界が受ける損失額は、推計で6900億円、年間市場規模の77%になるといわれています。

 当面、この状況が続くことを想定し、新たなビジネスモデルを模索する動きが出ています。その1つがオンラインイベントです。オーケストラやバンドが無観客の会場からライブ配信をしたり、有名俳優たちがZoomでの掛け合いで芝居を見せたり。VRを使って観客がリモートから参加できるeスポーツイベントなども開催されました。

 これらの取り組みは、自粛生活の中、エンターテインメントを強く欲していたファンの期待にも応えるもので、いずれも一定の成功を収めました。緊急事態宣言解除を受けて、今後はリアルイベントが少しずつ復活するでしょうが、先に述べたように一度変わったものは完全に元には戻りません。リアルと並ぶイベントの形として、オンラインが定着していくでしょう。

 上記の記事「三谷幸喜の傑作をZoomで 俳優陣の熱演を1万5000人がライブ視聴」の中で、俳優の近藤芳正さんが「今後の演劇の1つの形として、Zoomでの公演もあっていいと思いますね。生の舞台は素晴らしいけれど、それ以外の方法もあっていい。そういう意味で、時代が変わっていくのではと感じます」とおっしゃっていたのが印象的です。

 そうなると課題は収益化です。オンラインチケット、投げ銭、サブスク……まだまだリアルイベントのチケット代に替わる収益源にはなっていません。お金を払うだけの価値を消費者にどう感じさせるか。これはあらゆるビジネスに共通の課題です。人を楽しませることにたけたエンターテインメント業界が打つ手に注目したいと思います。

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