いよいよ日本でも次世代のモバイル通信「5G」のサービスが3月末に始まりました。モバイル業界にとって通信方式の世代交代は、10年に1度と言われる一大イベントです。ところが、新型コロナウイルスの影響が直撃し、各種のイベントは中止となり、携帯電話事業者の発表会もオンラインのみの開催で、スタートは実にひっそりとしたものでした。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 いよいよ日本でも次世代のモバイル通信「5G」のサービスが3月末に始まりました。モバイル業界にとって通信方式の世代交代は、10年に1度と言われる一大イベントです。ところが、新型コロナウイルスの影響が直撃し、各種のイベントは中止となり、携帯電話事業者の発表会もオンラインのみの開催で、スタートは実にひっそりとしたものでした。

 やや盛り上がりに欠けるのは、日本で最も普及している米アップルのiPhoneが現時点ではまだ5Gに対応していないということもあるかもしれません。テレビコマーシャルで「5G」の言葉を見かけることも増えましたが、まだ消費者に5Gに切り替えようという意識は浸透していないようです。対応エリアも、携帯電話の販売店の周囲などほんの少しに限られているため、仕方のない部分もあります。

 それでも5Gの実力は本物です。NTTドコモに5G対応スマホを借り、5Gの通信エリアがある丸の内のドコモショップ周辺、東京スカイツリー前の広場などで速度を測定してみました。4月16日に公開した特集記事の中でも触れていますが、自宅などで使う光回線と比べてもひけを取らないほど高速であることが確認できました。

 この高品質な通信をどう生かすか。携帯電話事業者は、協創というキーワードを掲げ、大企業からスタートアップまで、多彩な企業と新しいユースケースを生み出そうとしています。特に可能性があるのは、AR(拡張現実)やMR(複合現実)の取り組みです。バーチャル空間で見かけたお気に入りの服をリアルの店舗で購入、またバーチャル内のキャラクターも同じ服を着ることができる、といったバーチャルとリアルの融合が加速するでしょう。

 ARやVRを体験できるメガネ型端末は「スマホの後継になるだろう」と言われつつ、一部で使われるだけにとどまっていました。高品質な通信が利用できる5Gとの融合で、その普及は加速するでしょう。

 新型コロナウイルスで社会が停滞する一方、リモートワークの広がりなど、ITや通信の利便性や重要性を再認識した人も多いのではないでしょうか。5Gも現在の厳しい状況を打破し、再び経済を活性化させるために不可欠な技術となるでしょう。日経クロストレンドの特集「発進『日本版5G』実サービスの真価」では、5Gが切り開く市場やビジネスの可能性を紹介します。コロナ後の変化、その先の発展を見据え、ビジネスを加速するためのヒントにお役立てください。

日本でスタート「5Gが生み出す新ビジネス」まとめ記事(画像)

集客力100万人のバーチャル市場 5Gとの連携でリアル店舗超える


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独自の通信網が生む新ビジネス 「映像+ローカル5G」の潜在力


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ソフトバンクが「5G」を開始、2年間は4Gと同じ料金で


携帯電話各社はオンラインで発表会

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NTTドコモの5G、実質的「使い放題」 ビジネス現場の利用に活路

 NTTドコモは2020年3月18日、5Gの商用サービスについて発表した。5G対応スマートフォンや、実質的な“使い放題”の新料金プランに加え、各種の関連サービスを紹介した。ただし、エリア展開は「まだまだ」という印象。ビジネスの現場での新用途の創出を支援し、そこに活路を見いだそうとしている。


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携帯大手「5G」そろい踏み auはイベント重視で対応エリアに誘引

 携帯電話大手3社の5G商用サービスがそろい踏みとなった。KDDIは2020年3月23日、オンライン発表会を開催し、20年3月26日に5Gサービスを開始することを発表した。当面5Gのエリアがかなり狭いが、イベントを多数開催するなど5G関連のサービスでアピールする。


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2980円で使い放題、300万人は1年間無料 勝負に出た楽天モバイル

 楽天モバイルは2020年3月3日、携帯電話の事業者として本格的なサービスを展開するにあたり、正式な料金プランを発表した。月額2980円で自社回線内のデータ通信が使い放題、300万人を対象に1年間は無料提供するとした。同社の成功の鍵は、基地局整備が不十分という批判をいかに解消するかに尽きる。


さらに広がる5Gを生かした新サービス

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ポケモン GOをスポーツに ナイアンティックが見据えるARの未来

 2016年に大ブームをもたらし、今なお根強い人気を誇る『ポケモン GO』をはじめ、位置情報を活用したAR(拡張現実)ゲームで存在感を発揮するNiantic(ナイアンティック)。スポーツ庁の「Sport in Life」認定など、リアルとの融合を推進するARゲームの現在と未来を日本法人社長の村井説人氏に聞いた。


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テンセント 世界初の5Gゲーム用スマホで高度なゲーム体験追求

 中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)のゲーム事業「騰訊遊戯(テンセントゲームズ)」は2020年3月3日、世界で初めて次世代通信規格「5G」に対応したゲーム用スマートフォン「騰訊黒鯊3(テンセントブラックシャーク3)」の通常版とPro版を同時にリリースした。ゲーム用スマホメーカー「黒鯊科技(ブラックシャーク)」と共同で開発している。


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どうなる5Gスマホ? 各社がネット発表 楽天・三木谷氏も登場

 携帯電話業界最大の見本市イベント「MWC Barcelona 2020」が中止となったことで、中国の華為技術(ファーウェイ)ほか各社がネットのライブ配信で新製品を発表した。米クアルコムの発表では、楽天の三木谷浩史会長兼社長も登場。5G時代を展望する上で重要なトピックを紹介していこう。