全世界にまん延する新型コロナウイルス。その影響で“巣ごもり消費”に注目が集まりました。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。
日本経済新聞とテレビ東京が2020年3月27~29日に実施した世論調査によると、「普段よりも外出を控えている」と回答したのは全体の83%に及びました。2月に実施した同じ調査では43%でしたので、巣ごもりを自ら選択する市民がこのタイミングで激増したようです。
そのさなかに放映されたNHKの連続テレビ小説「スカーレット」では、主人公の息子が白血病で亡くなる直前に「今日が私の1日なら、いつもと変わらない1日は特別な1日」という胸を打つ言葉を残して3月28日に大団円を迎えました。4月1日時点では新コロナウイルスの大禍が収束する道筋は不透明だったこともあり、いつもと変わらない1日が本当は特別だったのだと世界中の人々が思ったに違いありません。
さて、緊急事態宣言は解除されましたが、テレワークを継続する企業は多く、巣ごもり消費が当面続きそうです。結果として、企業の側も消費者との接点作りの在り方が変容することを踏まえて、マーケティング⼿法のかじを大きく切る必要に迫られます。日経クロストレンドでお届けしてきた巣ごもり消費に関する記事をまとめましたので、今後のマーケティング戦略の立案にご活用ください。


巣ごもり消費・米国事情(1)会えなくても一風変わった動画視聴

データで見る消費者の行動変容

家計簿アプリ開発のZaim(東京・港)はこのほど、購買データを分析し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、消費者がどのタイミングでマスクやトイレットペーパーなどを買い求めるようになったのかについて公表した。商品ジャンル別に日次購買回数を集計した。消費者の購買行動が日々変化していく様子がデータで浮き彫りになった。

新型コロナ緊急調査 テレビ業界を襲う空前の危機と視聴率アップ
新型コロナウイルス騒動の影響で、テレビCMやテレビ番組が差し替えになる一方で、番組の視聴率は軒並みアップしているという。そんな激動のさなかにあるテレビ業界の実態を、内情に詳しいメディアコンサルタントの境治氏が「緊急アンケート」に基づいてリポートする。

全国小売店の販売データを集計する日経POS情報で、2020年2月の来店客千人当たり販売金額の前年同月比伸び率を調査した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、除菌製品や乾パスタなどの販売金額が前年同月比で大きく伸びた。
企業や店舗はどう対峙すべきか

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)対策のために世界中で封鎖措置が取られるなか、外食産業が悲鳴を上げている。米シアトルにある家族経営の老舗高級レストランは機敏に対応し、ビジネスモデル全体を設計し直した。「変わっていないことが2つある。人は食べる必要があり、働く必要があるということだ」――。

新型コロナウイルスの感染拡大で、記者発表会をオンラインで実施する企業が増えてきました。リアルな場での発表会がいいのは当然ですが、実はオンライン会見だからこその良さもあるようです。そして、広報がオンライン会見を成功させるための「お作法」も次第に⾒えてきました。

それでも開催の米大型イベントの対策は? 4万人開催では感染者
米国でも新型コロナウイルスの影響がイベント開催で顕在化している。最後まで開催を掲げていた、デジタルメディアの総合展「SXSW 2020」は市当局のキャンセルでやむなく中止となった。こうしたなかでも決行する13万人イベントもある。