新型コロナウイルスの感染拡大の影響がリゾート地にも押し寄せました。例えば、長野県白馬村にあるスキー場「白馬さのさか」「エイブル白馬五竜&Hakuba47」「白馬八方尾根スキー場」「白馬岩岳マウンテンリゾート」は、2020年2月の利用者数が71万3456人と前年同月比1.8%減となりました。暖冬の影響で雪不足だった現地にようやくまとまった雪が降り、まさにこれからというタイミングで新型コロナウイルスが追い打ちをかけた格好です。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 筆者は大学時代、弱小ながら準体育会のようなチームで競技スキーをかじっていたので、毎冬になると長野県を転々としながら合宿やレースに明け暮れていました。岩岳にも、関東のチームを対象とした大会に出るためによく訪れていました。実はたまたま2月の初旬、卒業以来数十年ぶりに昔お世話になった岩岳へ旅をし、現地の様子をこの目で見る機会を得ました。

 事前に大町市・白馬村・小谷村の10のスキー場で構成する「HAKUBA VALLEY」について調べたところ、2018~19年のウィンターシーズンに過去最高となる37万人(前年比約11%増)の訪日外国人が押し寄せたとのこと。特にオーストラリア人や欧米人に人気ということで、その時点では新型コロナウイルスの感染拡大はアジアを中心だとの報道が大半でしたし、多少の影響はあるとはいえどれほどの混雑ぶりかちょっと楽しみにしていました。最盛期に比べて国内のスキー人口は大幅に減っているとはいえ、です。

 現地に足を踏み入れると、確かにうわさどおりオーストラリアや欧米から来たとみられる外国人スキーヤーで街やゲレンデはにぎわっていました。ところが期待していたほどは混雑しておらず、私が知っている大昔の白馬のイメージとそう変わらず、拍子抜けしてしまいました。こうした疑問を、八方尾根で乗ったタクシーの運転手に投げかけてみると、「暖冬に、今度はコロナでしょ。今年は驚くほど人が少ないよ。商売あがったりだよ」とぼやいていました。1974年に始まった国内屈指の規模の大学生のスキー大会として知られる「全国学生岩岳スキー大会」が3月に開催予定でしたが、中止に追い込まれました。残念ながら、3月にはさらに観光客が減る可能性が高いとみられます。

 例えば、北欧のヴィンテージ家具の輸入販売などを手掛けるハルタ(長野県上田市)が運営する「haluta hakuba」。以前日経クロストレンドでも取り上げたことのある宿泊施設ですが、予約サイトを見る限り3月末にかけて空室が目立ちます。筆者が泊まった日には、白馬の上質なパウダースノーを取材するメディアの一行がドイツから大人数で訪れていたのですが…。

 一方で、今後について必ずしも悲観すべきではないとも考えます。あくまで個人的な意見ですが、一斉休校や在宅勤務による「巣ごもり」の反動で、アウトドアに脚光が急速に集まるのではないでしょうか。青空の下できれいな空気を思いっきり吸って、リゾート地でみんなでワイワイしたくなるはずだとみています。

 最近は、ひとりで楽しむ「ソロキャンプ」もはやっているようです。密集しないように少人数で散らばるように配慮する新しい姿のアウトドアライフ。今年後半にかけて、消費者がとりこになっているかもしれません。日経クロストレンドは、ここ数年盛り上がりを見せるアウトドアブームを追い続けてきました。新型コロナウイルスの災渦の収束を願いつつ、未来のアウトドアの姿を紹介する記事をぜひ巣ごもりを余儀なくされる今、お楽しみください。

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