先端テクノロジーによって、デザインが大きく変わり始めています。象徴的な例は、デザイン開発へのAI(人工知能)の応用です。日経クロストレンドの記事を見ても、デザイン開発業務の一部にAIを導入するケースは増えています。例えばカルビーは、スナック菓子のパッケージデザインを複数案から絞り込む際に、AIによる評価を参考にしています。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 工業デザイナーで東京大学教授の山中俊治氏は、過去の例を参考にして、似ているけれども模倣にならない程度に異なるデザインを作り出すのは機械学習の得意分野だと指摘します。近い将来、パッケージをリニューアルする際など、AIがデザインそのものを生成する可能性もありそうです。

 もう一つ変化が見られるのが、IoT(インターネット・オブ・シングズ)やロボットなどの先端テクノロジーに対応したプロダクトのデザインです。従来にない製品には、それにふさわしいデザインが必要です。2020年1月10日まで米国ラスベガスで開催されていたデジタル技術見本市「CES2020」では、ユニークなデザインの製品が多数発表されました。CES2020に登場したベンチャー企業の中から、次の時代のアップルが現れるのかもしれません。

カルビーのAI活用 パッケージデザインの好意度を事前に予測


「フレンチテック」躍動 アイデア×デザインで圧倒【CES2020】


パラ競技用車いすのイノベーター 技術応用で“座る”を革新


AIでデザインが変わる

プラグ、パッケージデザインの消費者調査をAIで代替

 商品の売れ行きを大きく左右するパッケージデザイン。その選定にディープラーニングを活用した。パッケージの好意度を5段階で予測するサービスを2019年4月に開始。200社以上が利用登録したという。市場調査に時間をかける現在のマーケティングが大きく変わっていくのかもしれない。


AIとデザイン

 @Yam_eye・2016年03月10日 高性能の写真機の登場によって、肖像記録者としての画家は敗北したわけだけど、それによって人類は「表現する」ことの意味を再発見した。AI(人工知能)に出合うことによって、人が思考の営みをさらに高い段階に持っていくことを期待する。


AIの本懐、それは「人の代替」ではなく「人の増幅」にあり

 デジタルゲームの開発現場から、AIによって未来の社会がどう変化するのかを描く本連載。2回目となる今回は、AIを使ったビジネスに企業が取り組む際に、どのような視点を持って臨むことが重要かを説く。


CES2020における最先端デザイン

日本発「抹茶マシン」が世界デビュー イメージは禅【CES2020】

 創業から1年足らず。日本のスタートアップが抹茶で世界に羽ばたいた。2020年1月7日(日本時間1月8日)、米ラスベガスで華々しく開幕した世界最大のデジタル技術見本市「CES」。初出展ながら大賞に準じるイノベーション賞を射止めたのは「抹茶マシン」だった。


ロボットが世界のビーチを救う?オランダからの提案【CES2020】

 ロボットが世界のビーチを救う?米ラスベガスで開催中の世界最大のデジタル技術見本市「CES」に、除草ロボットと、たばこの吸い殻などビーチのごみを拾い集める「ビーチクリーニングボット」が登場した。手掛けたのは、オランダのスタートアップOdd.Bot(オッドボット)。環境問題をロボティクスで解決する、意欲的な試みだ。


日本の電動バイク「X-SCOOTER」に勝機 海外では「クール」?【CES2020】

 米ラスベガスで開催中の世界最大のデジタル技術見本市「CES」に、日本から電動バイクを持ち込んだスタートアップがいる。glafit(グラフィット、和歌山市)だ。初出展でつかんだのは、厳しい安全基準を満たした日本製だからこそ、海外で戦えるという確かな手ごたえだった。

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