2020年1月23日、QRコード決済の先駆け的な存在だったOrigami(東京・港)が、メルカリ傘下でコード決済「メルペイ」を手掛けるメルペイ(東京・港)に買収されることが発表されました。Origamiが提供してきたコード決済「Origami Pay」はメルペイに統合されて、20年6月末に姿を消すことになります。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 仕事柄、様々なコード決済を使い分けるようにしている筆者ですが、PayPayや楽天ペイなどが高還元のキャンペーンを矢継ぎ早に打ち出す中、Origamiの出番は極端に減っていました。個人的にOrigamiを一番使っていたのは牛丼チェーンの吉野家でしたが、20年1月から楽天ペイやd払いも使えるようになり、Origamiの優位性がますます下がるなと感じていた矢先の出来事です。

 日経クロストレンドが「日経ビジネス」と共同で行った調査では、コード決済としては後発であるPayPayが、クレジットカードに次ぐ利用率となり、競合他社を大きく引き離していることが明らかになりました。先見の明はあったものの、資金力で劣るOrigamiが退場を迫られたというのが実態でしょう。

 今後は、Origamiの加盟店に対してメルペイへの切り替えを促していくようですが、スムーズに進むかは未知数です。Zホールディングス(ヤフー)とLINEの経営統合で、PayPayとLINE Payの去就も注目されていますが、こちらもサービスの一本化は容易ではないでしょう。

 個人的な実感としては、普段使うコード決済は2種類くらい。3つ以上を使い分けるのはストレスを感じます。つまり、コード決済事業者もその程度に収れんされていくのではないでしょうか。

 つまり、これから第2、第3のOrigamiが出てくるということ。加盟店は、コード事業者の撤退というリスクも考える必要があります。スムーズなサービス移行が可能になるよう、QRコード規格の共通化も差し迫った課題となりそうです。

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QR決済は1年で10倍に 1万人調査で分かった脱現金の進捗度


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複数のコード決済に対応する技術が登場

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Coke miniも採用のOneQR コード決済を月額500円で導入可能

 印刷されたQRコードを1つ、店頭に掲示すれば、複数の決済サービスに対応できる。しかも費用は安価──。「OneQR」と名付けられたこんなサービスが、2019年9月から提供中だ。コカ・コーラ ボトラーズジャパン(東京・港)が運営する「Coke mini」にも採用された。OneQRの真価はどこにあるのか追った。


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20種類のQR決済対応の新興企業、伊藤忠など出資で海外展開へ

 PayPayやLINE PayなどQRコード決済の急速な浸透で、世のキャッシュレス化が大きく進んでいる。一方、こうしたQRコード決済の“受け手”となる市場も拡大している。20種類以上のQRコード決済に対応するネットスターズ(東京・中央)は、資本増強を契機にアジアや中東など海外販売を一気に強化している。


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QRコード決済の周辺事業者に商機 サービス乱立で小売店に負荷

 「3年で10万台の目標を大幅前倒しで達成」「18年11月末時点で5万店以上、18年度末までには10万店まで拡大」──QRコード決済事業者の盛大な投資合戦に伴い、周辺事業者からも景気のいい声が聞こえてくる。サービスの選択肢が多すぎることが小売店の負担になっており、そこに商機が生まれている。


携帯電話やポイントとの融合がカギ

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Tポイント、PayPayとの微妙な距離 4大陣営の強みと弱み

 携帯キャリアとの関係を深め、キャッシュレス決済との連係を進めて使い勝手の向上を図る4大共通ポイント。これまでは分からなかった利用者の位置情報や決済情報も集約し、顧客に対する理解をより深めて新たな価値を付与しようともくろむ。新たな会計基準で起きる会計処理の煩雑化を回避できる点を踏まえると、手数料を払ってでも導入するメリットは増しつつある。


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KDDI・Ponta連合で勢力図に異変 ポイント新時代に突入

 2020年、ポイントやマイルを取り巻く環境が激変し、各社は大胆な戦略変更へ打って出る。象徴的な“事件”は、KDDIが「au」ポイントプログラムを共通ポイント「Ponta」へと統合することだ。背景にあるのは、国際会計基準(IFRS)への対応だ。“ためる”から“使ってもらう”姿へUX(ユーザーエクスペリエンス)を変革しつつ、キャッシュレス決済との融合も図る。勢力図が大きく書き換わりそうだ。


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お得は続く キャッシュレス決済が20年、爆発的に普及するワケ

 日経トレンディが選んだ「2020年ヒット予測ランキング」4位は「国民総キャッシュレス」。人気のスマホ決済は、対応する店舗やサービスがさらに拡大。夏場には「マイナポイント」も始まり、国策による“お得”も続く。ダブルの追い風は、キャッシュレス決済を爆発的に広げるだろう。