突然ですが、「睡眠用うどん」をご存じですか? 日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。
絶妙な手業で誰もが寝落ちするという頭のもみほぐし専門店「悟空のきもち」で知られるゴールデンフィールドが企画・開発し、予約が殺到している掛け布団です。うどんような布団ではなく、本物のうどんに近づくことを目指して、縦に8本並ぶ“うどん”部分にちょっと固めの「コシ」を出したといいます。
これが、なぜ若者に支持されたのか。もちろん、奇想天外な発想ですから、SNS(交流サイト)などでネタになりやすいことが大きな理由。しかし、それだけではありませんでした。税別1万6800円の睡眠用うどんを実際に購入した若者に話を聞くと、実はその機能性を高く評価していました。
いわく、「睡眠用うどんなら、“うどん”の隙間から手を出してスマホを無限にいじっていられる」とか、「“うどん”の部分にしがみつけば、抱き枕いらず」などなど。特に就寝前、起床後に布団にくるまった状態でスマホを扱いやすい点は、かなりのツボだったようです。
これは、必ずしもうどんという奇抜な形態を取らなくても実現できること。おそらく同様の商品は存在していません。こうした若者のインサイトに既存の布団メーカーが気づけていなかった、ともいえるでしょう。偶然かもしれませんが、睡眠用うどんが布団の中でもスマホを使いたい若者のニーズを顕在化させたことは事実です。
2019年は他にも、簡単な質問に答えるだけで自分の性格を診断してくれるWebサービス「性格免許証」や、「いいね!」でお金が稼げるアプリ「Poplle」、カメラアプリ「SNOW」の芸能人そっくり診断機能など、今どきの若者に響いたヒットが多く生まれました。これらは若者のニーズを代弁するものなので、日経クロストレンドの記事で再度チェックしてもらえると幸いです。

芸能人そっくり診断アプリが人気爆発 19年下半期の若者ヒット


予約殺到の「睡眠用うどん」 マーケティングは「むしろ邪魔!」
若者が支持する新時代インフルエンサー

YouTubeやSNSなどで300万人超のフォロワーを抱えるkemio氏。2013年から6秒間の動画アプリ「Vine」で高校生のあるあるネタを投稿したことから注目を集め、テレビ番組やイベント出演へと活躍の場を広げた、インフルエンサーの先駆けだ。彼の人気の秘訣はどこにあるのか。若者研究の第一人者であるマーケティングアナリストの原田曜平氏が聞いた。

TikTokで活躍する3人のインフルエンサーと、若者研究の第一人者であるマーケティングアナリスト・原田曜平氏の座談会後編。TikTokでバズる動画を制作する上でのポイントや、ユーチューバーのような収益化の方法について語り合った。

若者研究の第一人者・原田曜平氏が主催する、高校生・大学生のプレゼン大会で挙がった今どきの商品やサービスから若者ヒットの理由を探る本連載。今回は、Instagramの短時間動画機能「ストーリーズ」で、優れた広告のような完成度の高い画像や動画を定期的に発信し、多くの若者を魅了している謎のインスタグラマー「せとりょう」に迫る。
19年上半期トレンドをプレーバック

若者研究の第一人者であるマーケティングアナリストの原田曜平氏が主催する若者ヒットのプレゼン大会。今回、100人以上の高校生、大学生メンバーが選び、「19年上半期トレンド」をまとめた。「みんはや」「性格免許証」「ワンショルダー」――、若者を魅了した商品・サービスをあなたはいくつ知っているだろうか。

「間接自慢」「爆速マネタイズ」…19年上半期、若者キーワード
若者研究の第一人者であるマーケティングアナリストの原田曜平氏が、高校生や大学生の意見を基にまとめた「19年上半期若者トレンド」。前編(「性格免許証」って何? 高校生、大学生の19年上半期ヒット)に続く今回は、今どきの10代、20代の消費を6つのキーワードで深掘りする。

若者研究の第一人者・原田曜平氏が主催する、高校生・大学生のプレゼン大会。そこで挙がった今どきの商品・サービスから、若者ヒットの理由を探る本連載。今回は、大行列の新型プリントシール機(プリ機)の最新トレンド。時代は、“盛る”から、撮影プロセス自体を楽しむ仕掛けへと変化していた。