取材をしていると、このところ顔認証の技術を使ったビジネス活用や社会実装の事例に関する話を聞く機会が増えています。あるいは急増している気さえします。実際、顔認証の技術を使ったサービスや実証実験は増えています。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 マーケットが大きそうなのはオフィスビルの入退室でしょう。同じ理屈で、工事現場の出入り口にも適用できます。キャッシュレス決済との連動でリアル店舗のデジタル化を一気に進め、マーケティングへの活用も急速に進んでいくでしょう。

 背景には、AI(人工知能)技術の急速な進展があります。とりわけディープラーニングというテクノロジーが最も得意とするのが画像認識。顔の特徴量を捉えて、本人かどうかを識別します。

 社会的な課題解決にも役立ちます。顔認証を使ってギャンブル依存症の対策をする試みも始まっているのです。日本中央競馬会(JRA)は19年10~11月に、同依存症対策に顔認証を使った実証実験をしました。ボートレースの分野でも現在、同種の実験が進められています。

 気になるのはプライバシー問題とのバランスです。公営ギャンブルの関係者も、そこはとても気にしています。顔認証で本人確認は確かにできます。ただ、「あなた今週4回目の来場ですので、少しギャンブル依存症のきらいがありますね」とか警備の方から指摘を受けるわけではありません。本人あるいは家族が登録した人について、顔認証の技術を使って来場を認識し、注意を促すという使い方です。

 こうした使い方をきちんと国民に理解してもらえないと、「顔認証で、何だかおかしなことをしてるぞ」となってしまいます。それを避けるべく慎重な姿勢をとっています。

 顔認証が優れた技術であるが故、そのビジネス活用や社会実装には慎重さも大切ではないでしょうか。

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顔認証先進国、中国

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アリババ ユニバーサル北京と提携しパークをデジタル化へ

 2019年10月17日、中国EC最大手のアリババ集団とユニバーサル北京リゾートは戦略提携を締結した。ユニバーサル北京リゾートは、自社テーマパークの運営にアリババの技術を活用する。テーマパーク内でスマートなサービスの提供を目指すと同時に、世界のテーマパーク産業に通じる管理および運営の新たな標準の確立を目指す。


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 2019年10月20日、中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は、中国浙江省桐郷市烏鎮で開かれた第6回世界インターネット大会で、中国の銀行間決済ネットワークを運営する中国銀聯(チャイナ・ユニオンペイ)と国内60以上の銀行と提携して、顔認証決済サービスを開始することを明らかにした。


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 毎年11月11日「独身の日」のダブルイレブンショッピングデーは、商品の配送を支える物流企業があってこそ。前回の記事ではその代表格として菜鳥網絡(ツァイニャオ)を紹介したが、この他にも中国には成長著しい物流ユニコーンが数多く存在する。


流通などでも活用進む

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 日本で「キヨスク」というと、駅の売店が想起される。だが近年、海外ではファストフード店やフードコートなどにおける、タッチパネル型の注文決済端末のことを指す。店舗の省人化策として世界的に導入数が急増している。米国や中国、欧州や東南アジアなどでも日常的に利用されている。


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物議のアマゾン「レコグニション」、意外な用途【海外提携誌】

 顔認証をする米アマゾン・ドット・コムの技術「レコグニション」。これを米政府に提供しないよう同社株主が求めるなど物議を醸している。一方、ユーザー生成コンテンツ(UGC)が日々膨れ上がるなか、不快な動画が含まれないかを自動認識する企業サイドの関心も高く、多くの企業がこのレコグニションを利用している。その実像に迫った。


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グーグルがAIスマホの新版、専用センサーで身ぶり操作

 米グーグルは米ニューヨークでハードウエア関連の発表会「Made by Google」を開催し、同社のスマートフォンの最新機種「Pixel 4」を発表した。新型センサーによるジェスチャー操作機能を搭載した他、AI(人工知能)技術によるカメラや音声認識を強化した。