東京五輪・パラリンピックに向けて広がりつつあるスポーツ×テクノロジー産業の最新動向を特集にまとめました。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
(写真/Shutterstock)

 2019年11月末、2020年の東京五輪・パラリンピックでメイン会場となるオリンピックスタジアム(新国立競技場)が完成しました。いよいよ、東京大会の開催が近づいてきたなと感じます。筆者は2019年10月中旬、東京オリンピック・パラリンピックの競技大会組織委員会が主催する報道陣向けの会場ツアーに参加しました。そのとき新国立競技場はまだ完成前。その内部を見ることができませんでしたが、東京・江東の有明体操競技場や有明テニスの森、品川の大井ホッケー競技場、世田谷の馬事公苑などを回りました。

 複数の会場を見て感じたことは、綿密な計画に従って、きっちりと準備が進んでいるな、ということです。リオ五輪では大会直前まで会場の工事が続いている、という報道がありましたが、東京の多くの会場は完成し、既に本番に備えるための準備として、予選のスポーツ大会など開催しています。

 確かに、猛暑への対策など簡単に解決できない課題もあります。会場ツアーに参加していた外国人記者も、説明する担当者へ、暑さ対策の質問を数多く投げかけていました。そうした不安材料はありますが、それでも大会ビジョンに掲げる「史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会」に一歩でも二歩でも近づけるよう、我々も支援をしていくべきでしょう。

 そのためには、東京五輪・パラリンピックだけでなく、その後を見据えて、スポーツ業界を活性化していくことが大切なのではないでしょうか。政府は15年に5.5兆円だったスポーツ市場規模を、25年に15兆円へと拡大するという目標を掲げています。米国や中国をはじめ海外のテクノロジー関連企業の勢いが増していますが、まだ日本には優れた技術を持つ企業が多く存在しています。日本発の技術を生かし、革新を切り開く余地は数多くあるはずです。

 日経クロストレンドでは、東京五輪・パラリンピックに向けて広がりつつあるスポーツ×テクノロジー産業の最新動向を特集にまとめました。IT関連の大企業からスタートアップまで、多数の企業が参入し、スポーツ産業のチャンスは着実に広がっています。日経クロストレンドの記事で、スポーツテックの可能性にぜひ触れてみてください。

東京五輪で注目 「スポーツテック」市場が分かるまとめ記事(画像)

東京五輪は「スポーツテック」の好機 15兆円市場へIT企業参入


東京五輪で注目 「スポーツテック」市場が分かるまとめ記事(画像)

世界が認めた体操判定AI 勝負分ける関節「わずか1度」を見極め


東京五輪で注目 「スポーツテック」市場が分かるまとめ記事(画像)

パラスポーツとゲーム融合 VRや人間拡張「万人向け」市場広がる


IoTなど新技術とスポーツを融合

東京五輪で注目 「スポーツテック」市場が分かるまとめ記事(画像)

野球用IoTボールで選手育成 世界に広がる新市場、KDDIが狙い打ち

 5Gの有力コンテンツとして多くの企業が注目するスポーツ。KDDIは、IoTデバイスを活用し、アスリート向けにコーチングやコンディション管理を提供する新サービスを立ち上げた。野球やサッカー、クリケットなど多様な競技向けにデバイスを開発してユーザーを囲い込み、この市場をリードする考えだ。


東京五輪で注目 「スポーツテック」市場が分かるまとめ記事(画像)

「便をください!」 元サッカー日本代表選手が起業したワケ

 元サッカー日本代表の鈴木啓太氏がセカンドキャリアとして選んだのは、「アスリートの腸内環境の研究」。約500人のアスリートから集めた便の研究で生まれた独創的なサプリメントを発売する。アスリートの腸内細菌に着目した経緯と開発秘話を鈴木氏に聞いた。


東京五輪で注目 「スポーツテック」市場が分かるまとめ記事(画像)

巨大スポーツチェーンのデカトロン、米で無線ICタグのレジレス

 フランスのスポーツ用品の世界最大手であるデカトロンは、米サンフランシスコの店舗で先端テクノロジーの活用に取り組んでいる。自社でプライベートブランド(PB)を企画し製造するメリットを最大限生かすほか、新たなサービスを導入しやすくする狙いがある。


マーケティングやイベント創出にも

東京五輪で注目 「スポーツテック」市場が分かるまとめ記事(画像)

Jリーグ・名古屋グランパス AI顔認証で見えた驚きのマーケ効果

 スポーツテックはスポーツの舞台裏、スタジアムの運営にも広がっている。サッカーJリーグの名古屋グランパスエイトはスタジアムの入場者を把握するため、カメラとAIによる顔認証を導入し、性別や年齢などの属性データを取得。これを分析すると担当者も驚く効果が見えてきた。


東京五輪で注目 「スポーツテック」市場が分かるまとめ記事(画像)

ARとAIを活用 ZEPPELINが新しい3次元広告事業に挑む

 “デジタルイノベーション”の創出を掲げるテクノロジー企業のZEPPELIN(ツェッペリン、東京・渋谷)が、電通デジタル、KDDIと組んで、新たな広告市場の開拓に挑む。2020年初め、都内の商業施設でAR(拡張現実)による巨大広告を映し出すトライアルを開始。20年春以降に、競技場でのスポーツやエンターテインメント分野にも展開する計画だ。


東京五輪で注目 「スポーツテック」市場が分かるまとめ記事(画像)

東京五輪はパブリックビューイングが劇的進化 ラグビーW杯上回る

 日経トレンディが選んだ「2020年ヒット予測ランキング」1位は「どこでも東京五輪&応援村」。説明不要のビッグイベント、オリンピックが東京のみならずが列島をのみ込む。フェス感覚で楽しめる“進化版パブリックビューイング”が各地に出現。東京は各国の「テーマパーク」で彩られ、“巨大万博会場”と化すと予測する。