今やECの世界において、中国は米国と並ぶ先進的な地位にあります。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 2019年11月11日、中国EC最大手のアリババ集団が「双十一(ダブルイレブン)」と呼ばれる年に1度の大規模セールを行いました。この大規模セールによる取扱高は毎年大きく成長し、19年は開始24時間で総取扱高が約2684億元(約4兆1000億円)に。過去最高記録を更新しました。

 今やECの世界において、中国は米国と並ぶ先進的な地位にあります。アリババ集団が毎年11月11日に大規模なセールを行うのは、単なるお祭り騒ぎではありません。将来の成長を見据え、大量の注文をどう処理するのか壮大な実験場となっているのです。注文が殺到し、配送の遅れなども起きるようですが、それを分析して、改善を続けているのです。

 ECが発達した中国では、日本よりもデジタルマーケティングが重要になっています。日本では「TikTok」として知られるショートビデオアプリ「抖音(Douyin)」や、中国版Instagramと言われる「小紅書(RED)」などにはECとの連携機能があり、インフルエンサーによるプロモーションが増えています。これに対して、日常生活などを飾らずに投稿する「Vlog(ブイログ)」という新たなトレンドが生まれていますが、そこにもプロモーションを盛り込もうという動きが加速。日本企業でもインバウンド向けに活用する事例が出てきています。

 また、中国ではリアル店舗よりも先にECが発展するという「リープフロッグ(かえる跳び)現象」が起きたことから、アリババ集団などのEC事業者がリアル店舗を買収し、ECで培ったデジタル技術で変革させる「新小売(ニューリテール)」という動きが見られます。これは、日本では見られない興味深い現象と言えます。

 日本では、中国と比べるとまだリアル店舗に優位性がありますが、デジタル化の波は避けて通れません。先行する中国の動きから学ぶところは大きいでしょう。現地取材をたびたび行ってきた日経クロストレンドの記事で、ヒントを探してみてください。

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