優れたネーミングやキャッチフレーズは、ブランドや商品をより強くする。商品そのものの機能や特徴に加え、商品が持つ魅力や世界観を効果的に打ち出せるようになり、消費者の心に強く刺さりやすくなるからだ。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説する。
優れたネーミングやキャッチフレーズは、ブランドや商品をより強くする。商品そのものの機能や特徴に加え、商品が持つ魅力や世界観を効果的に打ち出せるようになり、消費者の心に強く刺さりやすくなるからだ。
ただ、だじゃれのような面白いネーミングがいいわけではない。単なる「悪ふざけ」は逆効果になる恐れがある。では、どうすれば成功するのか、先行事例を分析すると、商品開発だけでなく、企業のブランド作りにもつなげているケースが多い。
例えば好例は、高級食パンの販売店だ。オーネスティグループが東京・清瀬などに出店している「考えた人すごいわ」や、CLASTYが神奈川県相模原市などで運営する「午後の食パン これ半端ないって!」、アイラスグループによる東京・中野坂上の「うん間違いないっ!」などだ。すべて別の企業が経営する店舗だが、実は共通の「仕掛け人」がいた。それがジャパン ベーカリー マーケティング社長でベーカリープロデューサーの岸本拓也氏だ。
どこの店舗も行列ができるほどの人気店に育った背景には、今までの食パンとは異なる味や軟らかさだけでなく、店舗名のネーミングにインパクトを持たせたことがある。どのように斬新な名称を生み出しているのかを聞いたところ、店舗の立地や商圏特性からコンセプトやターゲットを明確にして、分かりやすく表現しているという。単なるひらめきではなく、実はマーケティングの結果だったわけだ。


恋する豚はおいしい? 福祉施設のレストランに行列2時間のナゾ

大阪流の笑いが生む水栓金具 売れなくても作り続ける本当の理由
ヒット商品は、こうやって生み出せ

「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒の市場がここ数年活況だ。森永製菓や味噌で知られるマルコメなど大手企業も甘酒販売に力を注ぐ。そんな中、無名の農家が490ミリリットルで約1500円という高価な甘酒を出し、1年で1万2000本販売した。人気の裏に開発者親子の意外なマーケティング力があった。

「時短」「サボり」を提案する、30代女性狙いの夜用スキンケア
顔に貼るだけで洗顔からスキンケア、化粧下地まで済ませられる朝専用シートマスク「サボリーノ 目ざまシート」。累計4億枚を売り上げた同商品の新シリーズとして、夜用のシートマスク「サボリーノ オトナプラス 夜用チャージフルマスク」を発売する。夜でも時短を訴求する狙いとは。

1200万個突破 ローソン「バスチー」は数年に一度の大型商品
ローソンのチルドスイーツ「バスチー ‐バスク風チーズケーキ‐」が、2019年3月の発売から3日で100万個を販売した。現在までの累計販売個数は約1200万個。「プレミアムロールケーキ」でコンビニスイーツのブームを巻き起こしたローソンの新たなヒット商品は、どのように誕生したのか。
ブランドの確立につなげ、企業の在り方を変える

「変なホテル」のブランディングを担当するGRAPHの北川一成氏と共に、広告やパッケージにとどまらない総合的なデザイン戦略の重要性を、実例を基に考える連載企画。今回は毎年約20%ずつ売り上げが伸びている手作りの塩。成功の秘密は絶妙のネーミングにあった。

缶コーヒー飲まないBOSSファンの謎 変化の中の“不易”を捉えよ
缶コーヒーからスタートし、紅茶や、牛乳と割る濃縮コーヒーまで展開する「BOSS」。消費者との関係性を「働く人の相棒」と規定する同ブランドは世の中や働き方の変化にどう対応してきたのか。

コニカミノルタ デザイン思考による働き方変革から創造性向上へ
コニカミノルタジャパン(東京・港、以下KMJ)は、働き方改革支援サービスを改善し、未来をつくるキャッチコピー・ネーミングを開発。サービスを軸に据えた創造型企業へと大きくかじを切り始めた。