9月12~15日まで千葉・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2019(TGS2019)の会場では、5Gを使ったサービスが体験できたのをご存知でしょうか。5Gの特徴は、高速、大容量かつ低遅延の通信が可能なこと。この特徴を生かせるコンテンツとして、携帯電話会社が期待している分野の1つがゲームだからです。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 NTTドコモは2019年9月20日、「ラグビーワールドカップ2019日本大会(W杯)」の開幕に合わせて次世代通信システム「5G」のプレサービスを開始しました。いよいよ時代は5Gに突入します。実はこれより前、9月12~15日まで千葉・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2019(TGS2019)の会場では、5Gを使ったサービスが体験できたのをご存知でしょうか。

 5Gの特徴は、高速、大容量かつ低遅延の通信が可能なこと。この特徴を生かせるコンテンツとして、携帯電話会社が期待している分野の1つがゲームだからです。

 例えば、徐々に盛り上がりつあるeスポーツ。その対戦環境においては、離れた場所にいる選手同士を高速かつ低遅延の通信で結ばなければ公正な試合ができません。観戦者向けには、ゲーム画面、選手の表情、コントローラーを操作する手元、観客席など、視点を切り替えて試合の様子を視聴できるマルチアングル配信のニーズが見込まれています。

 また、今後広がると予想されるクラウドゲームにも高品質な通信は必須。クラウドゲームとは、ユーザーがコントローラーで入力した情報をサーバー上で処理し、その結果の映像だけを手元の端末に配信、表示するストリーミングベースのゲームシステムで米グーグルが19年11月のサービス開始を予定している「Stadia」(ステーディア)や米マイクロソフトが推進する「Project xCloud」などが代表例です。

 これらの取り組みは実証実験も活発。まだ具体像が見えない5G時代の通信ですが、ゲームという軸で見るとイメージはかなり明確です。TGS2019リポートも含め、ゲームから5G時代がのぞける記事を紹介します。

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