アパレルの分野では、パーソナライズが新たな潮流になっています。ただ、採寸の方法やどこまでカスタマイズできるかは、各社が試行錯誤中。ZOZOは究極のフィット感を追求し、着るだけでサイズを測れるボディースーツを配布しましたが、コストがかさんでしまいました。加えて、1ミリ単位で調節可能な点も、カジュアルな服ではオーバースペックだったようです。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 ファッションEC大手のZOZOが、ヤフーの傘下入りを発表。加えて、ZOZOの“顔”だった創業者の前澤友作氏が社長を退任し、業界に衝撃が走りました。絶好調だったZOZOの勢いに陰りが見えたのは、2018年のこと。約1万5000カ所のサイズが測れるセンサー内蔵のボディースーツ「ZOZOSUIT」を活用したPB事業が軌道に乗らなかったのが大きな要因でした。

 アパレルの分野では、パーソナライズが新たな潮流になっています。ただ、採寸の方法やどこまでカスタマイズできるかは、各社が試行錯誤中。ZOZOは究極のフィット感を追求し、着るだけでサイズを測れるボディースーツを配布しましたが、コストがかさんでしまいました。加えて、1ミリ単位で調節可能な点も、カジュアルな服ではオーバースペックだったようです。

 パーソナルオーダーの成功例を見てみると、最初の採寸は旧来通りスタッフが行いつつ、その採寸データを使ってネットから簡単に注文できるスタイルが現実解のようです。また、洋服以上にフィット感が重要な靴には、3Dスキャンなどテクノロジーを活用した採寸のニーズがありそう。ZOZOも「ZOZOMAT」を開発し、巻き返しをはかろうとしています。

 パーソナルオーダーと相性のいい販売スタイルが、小売企業を介さず、顧客に直接商品を販売するD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)です。消費マーケティングの専門ネットメディア「日経クロストレンド」では、今後も先端事例を追っていきます。

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