2020年の大イベントといえば東京五輪ですが、次世代モバイル通信「5G」の本格サービスが始まるトピックも見逃せません。それに向けて、通信事業者各社による5Gのプレサービスが広がっています。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 2020年の大イベントといえば東京五輪ですが、次世代モバイル通信「5G」の本格サービスが始まるトピックも見逃せません。それに向けて、通信事業者各社による5Gのプレサービスが広がっています。ソフトバンクは7月下旬に音楽フェス「FUJI ROCK FESTIVAL '19」、8月下旬にはバスケットボールの国際試合でVRゴーグルなどを使ったサービスを展開しました。NTTドコモは、9月下旬に開幕する「ラグビーワールドカップ2019 日本大会」で、マルチアングル視聴などのサービスを提供しました。

 5Gの3大特徴と言えば、「高速大容量」「低遅延」「多接続」です。一般ユーザーがまず実感できるのは高速大容量でしょう。先日、世界に先駆けて5Gの商用サービスを展開している韓国のソウル市内で、速度テストをしてきました。街中のどこでも5Gのエリアが整備されていて、明洞(ミョンドン)などの繁華街でも毎秒700メガビットの速度が出るのは驚きました。日本の5Gサービスは詳細がまだ見えていませんが、韓国と同程度の通信料金でエリアも順調に広がるのであれば、久々に携帯電話市場は活気づきそうです(iPhoneがまだ5G対応していないのは気になりますが)。

 低遅延は、「自動運転で危険を事前に察知する」「ロボットや建機を遠隔操作する」といった即座の反応が求められる用途で広がりそうです。ポイントは、車やロボットをはじめ、今後はさまざまな機器が5Gの通信機能を搭載していくこと。あらゆる機器が「スマホ化」するわけです。その過程の中で低遅延のメリットが実感できる時代になっていくでしょう。

 実は、ちょっと難しいのが多接続です。専門家に取材していても「実は4Gのスペックでも多接続は十分なんだよね……」といった声もちらほら。多接続については5Gの規格が固まっていないという背景があるようです。ただ、スマホ以外のあらゆるIoT端末が街中で通信するようになれば、5Gの多接続が必ず求められていくようになるでしょう。

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