かつて「我が社にビッグデータはあるが、どうやって収益に結び付けるか分からない」という悩みを抱えている企業は多数存在していました。そうした状況は、もはや過去のものとなりつつあります。着実にデータ活用を進めることで「儲かる」ための仕組みを構築する企業が増えています。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 かつて「我が社にビッグデータはあるが、どうやって収益に結び付けるか分からない」という悩みを抱えている企業は多数存在していました。そうした状況は、もはや過去のものとなりつつあります。着実にデータ活用を進めることで「儲かる」ための仕組みを構築する企業が増えています。

 背景にあるのはAIをはじめとした技術の進歩があります。今後は、単に1つのデータから傾向を読み取るだけでなく、複数のデータを組み合わせ、その関連性から消費を生み出す種を探す取り組みが加速するでしょう。例えば店舗の場合、単に販売データを分析するだけでなく、スマホユーザーから取得した位置情報データ、気温や湿度といった天候データを組み合わせ、より販売に直結する情報を生み出す、といった形です。

 データを活用する際には、当然ながら取得元となるユーザーのプライバシーを守る必要があります。ところが、一般データ保護規則(GDPR)が取り決められた欧州など海外と比べると、日本はまだビッグデータを活用する際の個人情報保護の意識が低いと言われます。

 就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリア(東京・千代田)が、就活生の「内定辞退率」の予測を企業に販売していたと報道され、問題になっています。データの利用許可を取るのは当然のこと、ユーザーに適切なメリットを提供できているかが今後の焦点となりそうです。

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携帯3社のビッグデータ戦略

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データ集めて収益シェア KDDIが描く「5Gで儲ける」仕組み

 5GやIoTの技術で様々な企業を支援するサービスを作り出し、そこから発生したデータを集約してマーケット化。販売の収益はデータの持ち主である企業とシェアする。「データは大量にあるが利益につながらない」。KDDIは、そんな企業が抱える課題にも対応する5G時代の事業モデルを描く。


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ドコモの位置データが投資情報に 国内1500社の売り上げを予測

 特集の第3回、第4回は位置データの新しい活用法を紹介する。まずは携帯電話の位置データを使った地域マーケティング支援を手掛けるドコモ・インサイトマーケティング(東京・港)。スタートアップと連携し、過去との比較や現状の分析のみならず、予測にまで踏み込むなど用途の拡大を目指す。


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疲れている人を「狙い撃ち」 スマホクーポン配信の近未来

 通信事業者の位置データは、地方自治体が観光振興や防災のために利用することが多かった。その既成概念を超える「売り上げ増」に直結させるデータ活用が今後は広がりそうだ。ソフトバンク子会社のAgoop(東京・渋谷)は、スマホのセンサーでユーザー行動を詳細に捉えるサービスの準備を進める。


ビッグデータ時代に必要な人材とは

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イオンのデータ基盤を支える楽天OB ID軸にデータを統合

 大手ECモール「楽天市場」を運営する楽天の社員は、教育体制や業務で得られる知識、経験を生かしてECのプロになる。その手腕を買われて、他社で活躍する「元楽」が増えているが、活躍の場はECだけではない。ビッグデータを用いた、デジタルマーケティングの現場でも元楽が辣腕を振るっている。


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【独占】「データ? 大切なのはヒトのチカラ」インテージ社長

 インテージ社長に2019年4月に就いた檜垣歩氏。初のインタビューである。調査モニターのリサーチ会社からAI活用へかじを切る。そう話を向けると「データ、データってそれは会社の一側面。リサーチの本質は人間理解ですからね」と戒めの言葉。特集「データ売買 最前線」第1回と併せてお読みいただきたい。