モノがネットにつながるIoTやビッグデータ活用の要となるAI(人工知能)。政府のAI戦略では「デジタル社会の基礎知識(いわゆる「読み・書き・そろばん」的な素養)」として、「数理・データサイエンス・AI」を掲げ、AI人材を年間25万人育成するという目標を掲げています。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 モノがネットにつながるIoTやビッグデータ活用の要となるAI(人工知能)。政府のAI戦略では「デジタル社会の基礎知識(いわゆる「読み・書き・そろばん」的な素養)」として、「数理・データサイエンス・AI」を掲げ、AI人材を年間25万人育成するという目標を掲げています。

 しかし、AIでも今の日本に存在感はありません。ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏は自社イベント「SoftBank World 2019」で、「日本はAIの後進国」と断言すると同時に、「まだ手遅れではない」と日本の巻き返しに期待を示しました。一方、先月にはAI分野に投資する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の2号ファンドの立ち上げを発表。投資規模は1080億ドルの予定で、いかに孫氏がAIに期待を掛けているかが分かります。

 「(AI開発の技術者以外も)ビジネスで活用するためにAIの仕組みを知る必要がある」と、AIに詳しい駒沢大学経済学部の井上智洋准教授は指摘します。そして、「AIを活用できる者はたくさんの人間を従えているのと同じような巨大な力を持つようになる」と予想。既に一部ではビジネスにも活用されており、例えば花王はスマホで顔写真を撮って入力すると、最も似合うヘアスタイルが自分の顔と合わさった合成画像で表示されるというAIを独自開発して販促に使っています。

 AIとは何かを正しく理解し、マーケティングに活用する方法が学べる記事を選びました。

ディープラーニングG検定対策1 人工知能とは?


文書の文字は当たり前 街中の看板も読み取るテキスト認識の今


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