食品や洗剤などのパッケージ。多くは、コンビニやスーパーなどの棚で目立つことを重視するため、生活空間に置くと主張が強過ぎてしまいます。こうしたパッケージのデザインが、ECとSNSの普及によって変わり始めたようです。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
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 食品や洗剤などのパッケージ。多くは、コンビニやスーパーなどの棚で目立つことを重視するため、生活空間に置くと主張が強過ぎてしまいます。こうしたパッケージのデザインが、ECとSNSの普及によって変わり始めたようです。

 ECによって、パッケージは「売り場で目立つ」条件から解放され、新しい価値を提供できるようになりました。ヤフーとの提携解消問題で揺れるアスクルは、自社のECサイト「LOHACO」用にメーカーと商品を共同開発。生活空間になじむパッケージデザインを追求しています。一方SNSでは、撮影したくなる“映える”パッケージが、投稿を増やすためには重要です。それは売り場で求められるデザインと異なる魅力が求められるはず。リアルな売り場と切り離して考えることで、パッケージデザインは新しい価値を生み出す可能性があります。

 消費マーケティングの専門ネットメディア「日経クロストレンド」ならではの視点で、パッケ―ジデザイン最新事情が分かる記事を紹介します。

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