ビデオゲームで対戦し、勝敗を競う「eスポーツ」。海外から遅れること数年、日本でも本格普及の兆しを見せています。日経クロストレンドの記者が新トレンドを解説します。

(写真/Shutterstock)
(写真/Shutterstock)
[画像のクリックで拡大表示]

 ビデオゲームで対戦し、勝敗を競う「eスポーツ」。海外から遅れること数年、日本でも本格普及の兆しを見せています。

 ゲームのプラットフォームが「パソコン」「家庭用ゲーム機」「スマートフォン」と広がるに伴い、日常的にゲームを楽しむ人が増えました。「ゲームなんて興味がない」という人でも、スマホにゲームアプリを入れて空き時間に楽しんでいる人も多いでしょう。

 こうしたゲームについて、「どうやったらもっと点を取れるんだろう」「どうすれば次のステージに進めるんだろう」「うまい人のプレーを見てみたいな」などと思うことはありませんか? 実は、そんな気持ちがeスポーツを観戦し始めるきっかけになった方が少なくありません。そう考えると、現在eスポーツが盛り上がっている理由や、潜在ファンの多さ、今後の可能性の高さを実感できるかもしれません。

 この可能性にいち早く目を付けた企業が、既に動き始めています。狙いは、若い人を中心としたファン層に向けて自社製品やサービスをアピールすること。「テレビCMよりも効果がある」と断言する関係者もいるほどです。

 では、本当にeスポーツはマーケティングの新たなツールになるのでしょうか。消費マーケティング専門メディアならではの視点で、日清食品やNTTドコモ、三井住友銀行などの事例を紹介します。

急成長するeスポーツ テレビを見ない若者にはCMより効果的


eスポーツ運営に挑むJリーグ クラブにとっての新ビジネスを拓く


あわせて読みたい

eスポーツの協賛にドコモや日清 幕張メッセ即完売の大会も

 2018年に大いに盛り上がったeスポーツ。大会やeスポーツのチーム、選手のスポンサーに非ゲーム系の協賛企業・ブランドが多数参加するようになったことで、eスポーツを取り巻くエコシステムが回り始めた。収益を上げられる有料イベントも徐々に増えそうだ。


サッポロ、eスポーツへの投資決断 黒ラベルが若者に拡散

 「ニコニコ超会議」ニコラジコーナーのサポート、TVアニメ「ゴールデンカムイ」とタイアップした「ゴールデンカムイ缶」の販売……。若年層の認知獲得に効果的な施策を模索するサッポロビールが注目しているのが「RAGE Shadowverse(シャドウバース) Pro League」というeスポーツの大会だ。


NTT東日本がeスポーツに参画 地方大会向けシステム提供に商機

 東京・秋葉原で開催されたeスポーツリーグ「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」のグランドファイナルにNTT東日本が初めて参画し、パブリックビューイング会場へのライブ配信などを行った。これを足掛かりに、e-Sportsイベントへのシステム提供、受託事業などを積極展開する考えだ。


ゲーム会社は新たな商機に湧く

eスポーツ普及はカプコンの使命 次世代育成狙う新リーグも始動

 前回、『モンスターハンター:ワールド』の大ヒットとデジタル戦略の強化について語ったカプコンの辻本春弘社長。今回は、ここ数年同社が非常に力を入れているeスポーツの進展について聞いた。既に新リーグを立ち上げ、eスポーツの事業化に意欲を見せるカプコンの狙いとその将来像とは。


賞金1億円の大会開いたCygames 『グラブル』もeスポーツ仕様に

 「eスポーツ元年」と言われた2018年。その言葉通り、様々な企業がeスポーツへの取り組みを本格化した。Cygamesは、賞金総額1億円超を賭けた『Shadowverse(シャドウバース)』世界大会を開催。eスポーツでの展開を見据えた新タイトルを投入するなど、業界をリードする。同社の木村唯人専務に聞いた。


7周年の『パズドラ』 eスポーツ描くアニメで若年層を取り込む

 7周年を迎えた『パズル&ドラゴンズ』。eスポーツへの展開や休眠ユーザーの復活や若年層の取り込みなど、2018年は同ゲームのさらなる活性化に積極的に挑戦した。新作の開発では「グローバルファースト」を目指すという同社の今後の取り組みなどを森下社長に聞いた。