移動サービス革命「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」に向けた取り組みが、日本でもいよいよ本格化しています。日経クロストレンドの記者がトレンドを解説します。

 移動サービス革命「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」に向けた取り組みが、日本でもいよいよ本格化しています。

 ソフトバンクとトヨタ自動車が設立したモネ・テクノロジーズ(東京・港)のコンソーシアムには、2019年6月末時点で実に276社が加入。集まったのは、マイカー激減の荒波にさらされかねない自動車関連産業や、ラストワンマイルの移動サービスを統合することで利用促進を図りたい公共交通機関といったMaaSのメインプレーヤーだけではありません。小売りや食品・飲料メーカー、不動産、観光、ヘルスケアなど、異業種の有力企業も続々とMaaSとの連携を模索し始めています。

 世界を見渡せば、MaaS発祥の地と言われるフィンランドしかり、米国や中国でも交通手段のシームレス化やライドシェア、電動キックスケーターのような新交通シェアリングサービスの先行事例はいくつもあります。しかし、日本で始まっている「介護サービス×MaaS」「観光×MaaS」といった他産業とのコラボレーションはまれです。

 日本企業の創意工夫で、MaaSという「100年に1度」の交通デジタルプラットフォームの変革から、どのような社会的・ビジネス的な価値を生み出せるのか。まだ顕在化されていないビジネスチャンスはどこにあるのか――。そうした視点で日経クロストレンドのMaaS記事を読み直してもらうと、異業種の読者にとっても新たな気づきが得られるはずです。

トヨタ&ソフトバンク“MaaS連合”が200社超に あの有力企業も参画


フィリップスも参戦 「医療・介護MaaS」 答えは群馬にあり


新規需要争奪戦勃発、各社が知恵比べ

「MaaS元年」の幕開け 官民突き動かす「周回遅れ」の危機感

 鉄道、バス、タクシー、カーシェアなど、あらゆる交通手段をデジタルで統合し、シームレスな移動を実現する「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」。2018年から芽吹き始めたモビリティ革命に向けた取り組みが今、官民巻き込んで急ピッチで拡大している。令和元年の幕開けとともに、「日本版MaaS」の姿かたちが見え始めた。


10月に「定額制MaaS」導入へ WILLER社長が明かす

 高速バス大手のWILLER(ウィラー)が、移動革命の旗手になる。さまざまな移動手段を束ね、横断的に検索、予約、決済できるMaaSアプリを2019年7月に導入。19年10月には区域内を一定額で乗り放題とする定額制MaaSサービスに乗り出す。自動運転の商用化も見据える“革命児”が語る未来像とは。


JTBがMaaSで見据える「十人十色」のパッケージツアー

 あらゆるモビリティをつなぎ、1つのサービスとして提供するMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の世界で、JTBが拡大を狙うのは、地域交流事業だ。全国に根を張るネットワークを生かし、他社と戦略的に手を組んでいく。では、主力のパッケージ旅行は、MaaS時代にどう変わるのか。


「インマイル」「ラストワンマイル」の勝者は誰か

「9人乗りシャトル」参入 タクシー相乗りスタートアップの野望

 タクシー相乗りスタートアップNearMe(ニアミー)代表取締役社長CEOの高原幸一郎氏が、2019年5月末に開催された日経BPの技術イベント「テクノロジーNEXT2019」に登壇。人のニーズと、コト・モノ・移動の“瞬間マッチング”を目指すという同社の取り組みの進捗と、今後の展望を話した。


MaaSラストマイルの大本命 電動キックスクーターは普及するのか

 バッテリーで自走する新しい2輪モビリティー「電動キックスケーター」の人気が海外で高まっている。自転車より気軽に乗れるうえ、安価なシェアリングサービスが世界各都市で急速に広がっているためだ。日本でもMaaSのファースト、ラストマイルの本命として、サービス提供を目指す動きが出てきている。


エネルギー産業も都市設計も変える

エネルギー産業はMaaSでどう変わるのか(前編)

 MaaSの世界とエネルギー業界の課題が重なり合う未来には、どんな新しいサービスが創造されるのか。その技術的課題とは何か。MaaS Tech Japan代表取締役の日高洋祐氏をモデレーターに、国際環境経済研究所理事の竹内純子氏、CHAdeMO(チャデモ)協議会事務局長の吉田誠氏が、海外の動向含めて解説します。


ゲームAI・三宅氏が語るMaaS 都市全体がゲーム空間に

 カーシェア、鉄道、バス、タクシーなど、さまざまな交通手段を統合して次世代の移動サービスを生み出す「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」。MaaS実現の先にある未来を他産業の専門家と探る本連載。ゲーム・AI(人工知能)開発の第一人者として知られる三宅陽一郎氏が、前後編2回にわたってMaaSを軸とした都市のデジタルプラットフォームと、ゲーム産業が重なり合う未来を語る。


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