ソースコードを公開し、適切なオープンソースライセンスを適用することで、自由にソフトウエアの利用・改変ができるようになる「オープンソースソフトウエア」。非常に有効な開発方法として、開発者向けを中心に多くのソフトウエアで採用されている。中国では今、そんなオープンソースに戦略的に取り組み始めている。

開発者がソフトウエアを開発しているイメージ(写真/Shutterstock)
開発者がソフトウエアを開発しているイメージ(写真/Shutterstock)

オープンソースエコシステムとは

 ソフトウエアのソースコードを公開し、再利用可能なライセンスを定義することによって、誰でもソフトウエア開発に参加することができる「オープンソースソフトウエア」は、以下の点で多くの注目を集めている。

  • 開発への参加者が増えることで、ソフトウエアの機能・品質が向上する
  • ソースコードが公開されているため、問題発生時の原因究明がしやすい
  • 既存のソフトウエアを基に、特定の用途向けに改変しやすい

 サーバー用OSで最もシェアを獲得しているLinuxや、スマートフォン用OSのAndroidはオープンソースソフトウエアである。米アップルのiOSも、カーネル部分はオープンソースソフトウエアを採用している。プログラミング言語や開発用エディターなども多くはオープンソースソフトウエアだ。エンジニアが使うソフトウエアは、オープンソースのものだけでほとんどのものが賄える。

オープンソースは開発者向けソフトウエアの事実上の標準になりつつある

 米マイクロソフトは主力製品の一つである開発者向けエディター、VSCodeをオープンソースとし、オープンソース開発を進めるプラットフォームであるGitHubを買収した。さらにはオープンソースOSであるLinux Foundationにも多くの支援を行っている。

 このようにテック企業のほとんどがオープンソースソフトウエアに対する支援を強め、多くの開発者を、自社が進めるソフトウエアのエコシステムに関わらせようとしている。

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