新型コロナウイルス感染症と共存するアフターコロナ時代には、感染を避けるため、ビデオ会議ツールを使った新しい働き方が必須になる。この領域に中国企業が積極的に参入し、海外展開も図っている。中国発のアプリ(ツール)に勝機はあるのかを占う。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)が「遠隔学習における推薦ソリューション」を発表した
国連教育科学文化機関(ユネスコ)が「遠隔学習における推薦ソリューション」を発表した

 2020年3月13日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は「遠隔学習における推薦ソリューション」を発表した。その中の「ライブ映像コミュニケーションにおけるコラボレーションプラットフォーム」に選ばれたのは、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの「Zoom」、グーグルの「Google Meet(旧Hangouts Meet)」、マイクロソフトの「Teams」と「Skype」、フェイスブックの「WhatsApp」という米国企業によるおなじみのソフトに加え、「DingTalk(中国名は釘釘)」「LARK」「WeChat Work(中国名は企業微信)」という中国勢だった。

 アフターコロナの時代を迎えつつある今、学生もサラリーマンも新しい勉強方法、新しい働き方にいやが応でも向き合わなければならない。感染を避けるために遠隔学習、リモート授業の導入が進むが、そのために各種の新しいアプリを使わなければならなくなって、てんてこ舞いという方も多いのではないか。社内に新しいツールが導入されるだけならまだ数は限られているが、社外とのやりとりではとっかえひっかえで新しいツールを使わなければならない、となると大変だ。百花繚乱(りょうらん)のリモートツール戦国時代をさらに複雑化させているのは、今までにはない新たなプレーヤーの参入だ。そう、このアフターコロナを見据えた商機に、中国企業も参入しているのだ。

バイトダンスが開発したLARK

日本語版LARKを紹介するウェブサイト
日本語版LARKを紹介するウェブサイト
中国向け飛書を紹介するウェブサイト
中国向け飛書を紹介するウェブサイト

 世界のビジネス市場を狙う中国ツールを紹介しよう。まずはビデオ会議・ビジネスチャットを一体化したLARKだ。シンガポールのラークテクノロジーズのプロダクトという触れ込みだが、もともとはTikTokを運営する中国企業バイトダンスが開発したアプリだ。中国向けには「飛書」ブランドで展開しているが、海外向けにはLARKというブランド名で、しかも運営企業もシンガポールに置いた上で展開している。最大100人が参加できるビデオ会議(時間無制限)、検索可能なメッセージは無制限、200GB(ギガバイト)のクラウドストレージといった機能を無料で提供している。

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