出店エリアを拡大し、勢力を広げる地方発ドラッグチェーンが急増している。特に、新興勢力が続々と参入する首都圏は競争が過熱。北陸からは生鮮食品に強い「クスリのアオキ」、九州からは激安PBで席巻する「コスモス薬品」など、個性派チェーンが進撃を始めている。その実力を探るべく、店舗に潜入した。
とある平日の午後。ドラッグストアチェーン「クスリのアオキ」の某店舗(北関東)へ向かった。
店に入ってまず目に付いたのが、焼き芋が並ぶワゴン。そのすぐ脇には、新鮮な地場野菜がずらり並ぶ。さらに進むと見えるのが、鮮魚売り場。刺し身のパックや海鮮丼に加え、一匹丸のままのキンメダイやイサキがきらびやかにディスプレーされ、その場でさばいてもらうことも可能だ。その奥の総菜コーナーには店舗で調理した手作り感満載の煮物などの品々が所狭しと置かれ、精肉売り場には大容量の焼肉用カット肉などがぎっしり並ぶ。まるで大型スーパーマーケットの生鮮売り場――。多くの客が夕食の準備のために買い物を急ぐ姿は、一般的なドラッグストアでは見られない光景だった。
北陸から関東へ。急進撃を続ける「アオキ」
クスリのアオキは、石川県白山市に本社を構える北陸を地盤とする中堅チェーン。信越、東海、近畿エリアに加え、2012年には群馬県に進出して関東攻略を開始。北関東を中心に急ピッチで店舗網を拡大し、14年には埼玉県、18年には千葉県にも進出を果たした。すでに“本丸”である東京の包囲網を完成させつつある。出店攻勢を加速させ、現在の店舗数は全国で550店を突破。今期(20年5月期)は過去最高となる88店舗の出店を計画する。売上高は前期比20%増の3000億円に伸ばす計画。まさに破竹の勢いだ。
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