今、EC業界で活躍が目覚ましい楽天OBの「元楽」の実像を探る本特集。第5回はベネッセコーポレーションで通販事業を担当する増田治久氏を紹介する。ECサイト「たまひよSHOP」を担当した初年度に、楽天流セールで売り上げを3.7倍に拡大させた。たった1年でベネッセのECを激変させた手腕にECの極意を学ぶ。

ベネッセコーポレーション Kids&Family事業本部 通販事業開発部 通販基盤課 課長  増田治久氏。大学卒業後、大日本印刷を経て2002年8月に楽天へ転職。ECコンサルタントとして約400社を担当。05年に楽天オークションの立ち上げに参画。11年4月にベネッセ入社。15年より妊娠・出産・育児分野の商品を扱うECサイト「たまひよSHOP」の企画運営に携わる
ベネッセコーポレーション Kids&Family事業本部 通販事業開発部 通販基盤課 課長 増田治久氏。大学卒業後、大日本印刷を経て2002年8月に楽天へ転職。ECコンサルタントとして約400社を担当。05年に楽天オークションの立ち上げに参画。11年4月にベネッセ入社。15年より妊娠・出産・育児分野の商品を扱うECサイト「たまひよSHOP」の企画運営に携わる

 「楽天出身者が具体的なノウハウを持っていて、それを活用するだけで売り上げが上がるわけではない。ネット通販の売り方は日進月歩。かつてのノウハウはすぐに陳腐化する。それよりも数字を分析しながら、マーケティング課題を見つけ出す力を持っていることが重要だ」

 ベネッセコーポレーションKids&Family事業本部通販事業開発部の増田治久通販基盤課長は、元楽の強みをこう考えている。増田氏は2002年に楽天に入社。ECモール「楽天市場」のECコンサルタント(ECC)の業務で得た経験と知見を生かして、ベネッセのEC事業を成長させるために11年に転職した元楽だ。15年からマタニティーや子供服を扱う、たまひよSHOPを担当している。たまひよSHOP担当直後に実施したセールの売り上げを3.7倍に拡大。さらにスマートフォンでの表示改善策によって、スマホからのCVR(コンバージョン率)を改善前と比較して2.2倍に増加させるなど、複数の成果を上げている。

増田氏は15年からベネッセのマタニティーや子供服のECサイト「たまひよSHOP」を担当する
増田氏は15年からベネッセのマタニティーや子供服のECサイト「たまひよSHOP」を担当する

 増田氏が楽天に入社した当時、まだ今ほどの会社規模ではなく、ECCも数十人程度だった。人手が足りず、ECCに任される店舗数は1人当たり200店を超えていたという。ECCはそれらすべての店舗のデータを見ながら、売り上げを伸ばすためのアドバイスをしなければならない。ECCは月単位で評価される。1カ月間の流通金額の目標を立て、月末までに成果を上げなければならない。精神的な負担や、1人当たりの作業負担は大きいが、「通常では経験できない量、種類のマーケティング活動の成功、失敗を経験できる。その中で、成功のポイントが身についていく」と増田氏は言う。