先進国に比べて、成長率が低い日本のEC市場。サブスクリプションモデルなどの登場で、メーカーにもEC活用の道が開けつつあるものの、人材不足に悩む企業も少なくないだろう。そこで、「元楽」と呼ばれる人材に注目が集まっている。大手ECモール「楽天市場」を運営する楽天出身者を指す。社会人1年目からECのイロハを叩き込まれた元楽は、日本のEC市場の救世主になれるのか。

 日本はEC後進国だ。米国や中国、韓国などの“ネット先進国”と比べて成長率で大きく劣る。米調査会社のイーマーケターによれば、ECの市場規模が大きい上位10カ国の内、19年に最も成長率が高いのがインドで、前年比31.9%増の460億5000万ドルになる見込みだ。中国は同27.3%増、米国は同14.0%増といずれも高成長が予測されている。対して、日本は同4.0%と成長率で最下位となる見通しだ。

 後れを取る理由の1つは、EC人材の不足にある。ECを運営する上では専門的な知識がなければ、指標1つとっても効果検証すべき項目が設計できない。米アマゾン・ドット・コムが時価総額で世界首位になり、米ウォルマートは対抗策としてECと店舗の融合を進める。世界を見ればメーカー、流通小売り問わずEC強化は喫緊の経営課題だ。ところがECを成長分野だと理解はしていても、社内に専門的な知識を持つ人材を持たず、事業が伸び悩む日本企業は少なくないだろう。

 そこで、白羽の矢が立っているのが元楽。楽天市場に配属された楽天社員は入社直後からECのイロハを叩き込まれ、根っからのEC人材に育つ。楽天で得た経験や知識は、楽天の同業種やネット専業企業以外でも効力を発揮する。今、一般事業者のEC・デジタルマーケティング部門でも活躍する元楽が急増中だ。

入社後、ECの売上高が毎年40%増に