※日経トレンディ 2019年6月号の記事を再構成

2014年にアパレルブランドを立ち上げ、たった5年で売り上げを10倍に伸ばしたスノーピーク。アウトドアウエアを365日機能させるアプローチは、都会での街着というトレンドを生み、一大ブームとなっている。その立役者が、社長の長女、山井梨沙氏だ。デザイン、機能、素材の追求に加え、「ストーリー」を持たせることに挑む。

スノーピーク 副社長 CDO
山井梨沙

文化ファッション大学院大学(BFGU)修士課程修了後、国内アパレルブランドでデザイナーアシスタントとして就業。12年にスノーピーク入社。ブランドのディレクター兼ヘッドデザイナーを勤め、19年1月に現職

『アウトドアブランドの街着はここから始まった
服に機能性とストーリーを創り出す』

 アパレル業界での最近の潮流といえば、アウトドアブランドの爆発的流行だ。

 ブームの先駆けとなったのは、アウトドアギアを開発するスノーピーク。そのアパレル部門「スノーピークアパレル」を一手に担うのが、現社長の長女に当たる山井梨沙氏だ。国内のアパレルブランドでデザイナーアシスタントを務めた後、2012年にスノーピークに入社。14年秋から同ブランドをローンチし、初年度1.4億円の売り上げから、僅か5年で約10倍にまで育て上げた。

 実はスノーピークは12年以前に、アパレル事業に2度失敗し辛酸をなめた経験がある。そこに山井氏は、キャンプが好きではない人も含めてターゲットに据える斬新な戦略を持ち込んだ。

アウトドアウエアをファッションに

 狙ったのは、アウトドアウエアを都会でも着られる洗練されたデザインに落とし込む、街着とアウトドアの融合だ。「当時はアウトドアとファッション業界は分断されていた」と山井氏。「都会で働いていた自分自身の体験から、週末のキャンプだけに着る服を用意するのは現実的ではないと思った。そこで365日機能するアウトドアウエアに行き着いた」と語る。

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