※日経トレンディ 2019年7月号の記事を再構成

喫茶店に集まるサッカー好きが結成した団体が前身で、2012年にJ2初参戦した3年後にはJ1昇格──。スポンサーも地元企業が増え続け、現在は670社を数える。一つ一つは小口ながら、18年度の売上高は過去最高を記録し、9年連続で営業黒字を達成。集客に貢献する場外グルメには地元の店が協力する。

(右)DF 3 田中隼磨
(右)DF 3 田中隼磨

 J2に初参戦したのは12年。僅か3年でJ1初昇格を果たし、その名を全国にとどろかせた松本山雅FC。1年で降格したものの再び盛り返し、19年はまたJ1で戦う。

 ビジネスマネジメント力ランキング(第1回:Jリーグ55クラブのビジネス力をランキング 2位は鹿島、1位は?)はJ2で4位。J2のなかではスタジアム集客率で1位、平均入場者数は2位と高い集客力を誇る。

スポンサー数は浦和レッズの7倍!?

 今のJクラブの大半は、企業を母体に立ち上げられた。だが、松本山雅は何と“喫茶店発”のクラブだ。前身となる団体は、長野県松本駅前にあった「純喫茶山雅」に集まるサッカー好きによって、1965年に結成。長く北信越のアマチュアリーグで活動し、04年に法人化。目立ったプロスポーツチームが無かった長野県で、Jリーグ入りを目指すクラブとして話題になり、12年に念願のJリーグ加盟を果たした。

【ココを見ろ!】  原点 
ヤッフィーぬいぐるみ(マスター)
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喫茶山雅ブランドをアップデート
 松本山雅の原点「純喫茶山雅」は、駅前の再開発によって、1978年に一度その幕を閉じた。しかし、クラブ発足50周年となる2015年、喫茶を復活させるプロジェクトが発足し、17年に「喫茶山雅」として再オープン。2階はライブビューイングの会場の他、試合の無い日は地域住民が集まれる場所として活用する。

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