※日経トレンディ 2019年7月号の記事を再構成
ビジネスマネジメントランキングで3位に入った横浜F・マリノス。J1で戦い続け、2003、04年には連覇も成し遂げた。しかし、7万人超えの巨大と最小クラス、2つのスタジアムを併用し、集客に悩みを抱える。そこで導入したのが、売れ行きに応じて料金を変動させる「ダイナミックプライシング」だった。

本拠地 2:ニッパツ三ツ沢球技場(収容人数1万5440人)
平均入場者数:2万4766人
集客率:45.2%
売上高:47億6500万円
スポンサー数:89社
SNSフォロワー数/
Twitter:約45万5600人
Facebook:約6万1700人
Instagram:約50万1000人
1993年のJリーグ発足当初から、常にJ1で戦い続けるトリコロールの名門・横浜F・マリノス。2003年、04年にはW杯日本代表を2度率いた岡田武史監督の下、Jリーグ連覇を達成。だが13年の天皇杯制覇以降はタイトルに恵まれず、18年は残留争いにも巻き込まれた。松田直樹、中澤佑二ら日本を代表するディフェンダーを数多く輩出した守備のチームというイメージがあるが、18年から「3点取られても4点取る」攻撃的なサッカーにがらりとチェンジ。19年は上位を争う位置に浮上してきた。
長く堅守を伝統としてきたチームスタイルが一変。18年からリズミカルにパスをつなぐ攻撃型サッカーで観客を沸かせている。19年は仲川輝人ら3トップが好調で、上位をうかがう。漫画『ドラゴンボール』好きのマルコス ジュニオールがゴールを決めたときのパフォーマンスも話題。
ビジネスマネジメント力ランキング(第1回2ページ)では3位に入った。18年の平均入場者数は2万1788人で6番目。安定した集客力があり、SNSフォロワー数もトップクラスだ。
ただ、02年に日韓W杯決勝も行われた本拠地・日産スタジアムは、収容人数7万人超と巨大。Jリーグ屈指の集客力がありながら、試合では閑散とした印象を与える。前述のランキングでもスタジアム集客率は17位に沈む。
一方、マリノスはニッパツ三ツ沢球技場も本拠地に併用している。こちらの収容人数は1万5440人で、J1では最小クラス。平均入場者数より1万人以上も少なく、本来得られるはずの入場料収入減少に直結するという、両極端の悩みを抱える。
ダイナミックプライシングの導入へ
これまでJリーグの試合は日産スタジアム、ルヴァンカップのような平日夜開催の試合はニッパツ三ツ沢球技場を中心に開催と上手く併用してきた。だが、20年の東京五輪で日産スタジアムが使用されることもあり、Jリーグの試合でもニッパツ三ツ沢球技場での開催試合が多くなる。入場料収入の大幅減少の危機が迫っている。
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