「AI(人工知能)が人の仕事を奪う」という懸念を持つ人がいる。確かに一部はAIに置き換わるが、これまでにない仕事も生まれる。人間とAIは手を取り合い、協力しながら新しい成果を生み出していく社会になるのだ。連載はいよいよ最終回。AIの進化で生まれる新しい職業について、博士が解説する。

人間とAIは共同作業をしながら、新しい成果を生み出す共存共栄の社会になっていく
人間とAIは共同作業をしながら、新しい成果を生み出す共存共栄の社会になっていく
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柔裸瑠(にゅうらる)博士
クロトレ大学教授。コンピューターの黎明(れいめい)期からAI一筋で研究をしてきた。最近ついに還暦を迎える。昔は鬼博士と呼ばれていたが、最近は丸くなってきた。
助手のアミ
ある中堅ベンチャー企業で社長秘書をやっていたが、まったく新しい道を進もうと、クロトレ大学の助手として転職してきた。学生のころから数学や理科系は苦手。

この連載も今回が最終回じゃ。AIについての理解が深まったかな?


うん、AIのすごさ、面白さが分かった気がする。AIはまだまだ進化していくんでしょ?


もちろんじゃよ。ディープラーニングが脚光を浴びて、第3次AIブームが始まってからまだ10年もたってないんだから。


ねえ、AIがどんどん進化したら、人間の仕事が奪われちゃうんじゃないの?


いや、そんなことはないと思うのじゃ。もちろん、単純作業の多くはAIに取って代わられるかもしれないが、また新たな職業も生まれるだろう。


ソウデス! ワタシモシゴトヲシマス。ニンゲンモシマス。


ディープラーニングを超えるAIアルゴリズムとは

 これまで、AIの歴史や現状について解説してきた。連載をお読みいただいている方なら覚えているだろうが、現在の第3次AIブームは、ジェフリー・ヒントン博士らによるディープラーニングの研究者が起こしたブレイクスルーによって始まったものだ。

 その技術は多種多様で、GANs(Generative Adversarial Networks、敵対的生成ネットワーク)のようなアプローチも登場し、活用領域はどんどん広がっている。ディープラーニングに注目が集まってからまだ10年もたっておらず、今後さらに進化・発展していくだろう。

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