LOHACOが拡大している理由は、デザイン性に優れた新商品の開発だけでなく、受注から納入までを顧客体験(ユーザーエクスペリエンス)として捉え、常に向上させているからだ。使い勝手の良い画面周りや配送サービスによって、「なんでもロハコさん」の獲得に拍車がかかりそうだ。
LOHACOの主なユーザーは30~40代の働いている女性。子育てにも忙しく、親の介護などの心配もそろそろ増えてくる世代だ。そんなユーザーが快適に買い物をするにはどうしたらいいか。使いやすく、親しみやすいサービスとは何か。そうした視点からアスクルはLOHACOの使い勝手を上げようとしている。いったん購買のサイクルが習慣化すれば、ユーザーの活用頻度は高くなる。そうなれば特集2回目で紹介した先進ユーザーの「なんでもロハコさん」を増やせるだろう。
一定期間のLOHACOでの利用回数と購入金額の合計、1回あたりの購入金額という3つの基準を満たしているヘビーユーザーをアスクルは「なんでもロハコさん」と呼んで重視している。人数は明らかにしないが、新規顧客の獲得とともに、「なんでもロハコさん」の拡大がLOHACOの成長につながるとみている。そこでポイントになるのが商品開発に加えて、LOHACOのUX(ユーザーエクスペリエンス)デザインと受注から納入までのサービスになる。これらが、良い顧客体験となって信頼感につながれば、さらなるリピートが期待できる。
高級感を強調せず、安売さも打ち出さないUXデザイン
「目指すのは、使いやすく、親しみやすく、センスの良いサイト。ユーザーはLOHACOが提案する商品の価値や品ぞろえ、ライフスタイルに共感している。そうしたニーズに向けて欲しい商品を探しやすくするため、UXデザインは頻繁に変えている」と、LOHACOを担当するアスクルのBtoCカンパニー ライフクリエイション本部の相馬朋子店舗統括部長は語る。LOHACOのUXデザインは他社にない特徴があり、実はそう簡単にまねできるものではない。理由はLOHACOが持つブランドに起因している。
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