特集3回目と4回目では、LOHACOのものづくりの現場を取材した。最近の代表例が2019年4月に花王が発売した「ビオレu 泡で出てくるボディウォッシュ LOHACO限定デザイン」だろう。4月から5月中旬にかけて、同シリーズの既存商品に比べて約3倍の売れ行きを示したからだ。
LOHACOと花王はこれまでにも、「リセッシュ除菌EX」「トイレマジックリン 消臭・洗浄スプレー ツヤツヤコートプラス」「ビオレu キッチンハンドジェルソープ」などの商品で共同開発を重ねており、LOHACO ECマーケティングラボへの花王の参加は6年目になる。
今回の「ビオレu 泡で出てくるボディウオッシュ」シリーズの既存商品のうち、「やさしいフレッシュフローラルの香り(微香性)」「エンジェルローズの香り」の2種類をLOHACO限定デザインとして新たに共同開発した。透かし和紙で作ったレースのような温かみのあるグラフィックをパッケージにデザインし、気持ちの良い洗い心地を表現。入浴時のリラックスした雰囲気を演出したことがユーザーに評価されたようだ。
LOHACOのターゲットが欲しくなるデザインに
既存商品の「ビオレu 泡で出てくるボディウォッシュ」は年代・性別に関係なく使用できるものだが、「赤ちゃんの肌にも優しい」「子供の一人洗いにもおすすめ」など、ファミリー層に向けてアピールをしている。泡タイプのため、容器をプッシュするだけで泡立てる必要がなく、すぐに使える点が特徴。「いちいち泡立てずに済むため、少しでも時短につながる」という点は、LOHACOのターゲット層である「仕事が忙しい、生活にこだわりのある女性」にも合致するため、同商品を知ってもらうチャンスになると花王は考えた。そこで重視したのがパッケージデザインである。
だが、単に「かわいいデザイン」「きれいなデザイン」にしたのではない。これまでのレビューから分析した結果、あるデザインならば購入してくれる割合が高いと分かっていたからだ。
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