毎月のように新たな決済サービスが立ち上がり、“勝者”が一向に見えてこないコード決済。様子見を決め込む小売りがある一方で、店舗オペレーションの複雑化は承知の上でいち早く複数サービスに対応したのがビックカメラやウエルシアだ。ライバルに先んじたことが新規顧客の獲得につながっている。
「コード決済を導入してから、ポイントカードの新規発行枚数が増えている。新たな顧客が獲得でき、リピート利用してもらっていると実感している」
家電量販店・ビックカメラの一ノ瀬正樹マーケティング企画室長は笑顔でこう話す。同社は業界でいち早く、2018年12月4日にコード決済の「PayPay」を導入。同日に始まった“PayPay祭り”こと「100億円あげちゃうキャンペーン」で客が殺到し、18年12月の全店売上高は前年同月比23.4%増という驚くべき数値をたたき出した。19年2~3月は反動減があったものの、3月は再び前年超えを果たしている。
新規の客は一体どこから来ているのか。一ノ瀬氏は「ライバルがコード決済をまだ導入していないこともあるのだろう」と話す。明言を避けたものの、ここで言うライバルとはヨドバシカメラのことだろう。
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